研究課題
基盤研究(B)
リゾホスファチジン酸(LPA)は、細胞増殖、細胞遊走促進など様々な活性を持つ脂質性メディエーターであり、その多様な生理活性は、主に4つのG蛋白質共役型受容体(GPCR)(LPA_<1-4>)を介して発揮されていると考えられている。今回我々は、LPA_3欠損マウスを作成し、解析した。ホモ欠損マウスは、正常に発育し、外見上は野生型と区別がつかなかった。しかし、雌のホモ欠損マウスは、一腹あたりの産仔数が減少していた。詳細な解析の結果、着床の時期が遅れ、着床時の胎児の配列に異常があることが明らかになった。また、ホモ欠損マウスの着床時期の子宮では、COX-2の発現量が低下しており、PGE_2とcPGIの投与により、着床時期の遅れが回復した。これらの結果より、LPAはLPA_3を介してプロスタグランジン合成を促進し、受精卵の着床過程に重要な役割を果たすことを示された。
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