研究課題/領域番号 |
15370058
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
杉野 弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50211305)
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研究分担者 |
土田 邦博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (30281091)
栗崎 晃 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (60346616)
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キーワード | アクチビン / フォリスタチン / Smad / 神経分化 / 筋分化 / 筋ジストロフィー / 肝再生 |
研究概要 |
アクチビンの多様な作用を理解するために、そのシグナル伝達系の細胞内外における調節制御機構について検討を継続した。 先に同定していたオーファンSer/Thrキナーゼ型受容体ALK7の性状について検討した。ALK7は新規アクチビンI型受容体であり、アクチビンBあるいはABの刺激に応答し、アクチビンIIA型受容体と細胞表層で複合形成することにより、アクチビンのシグナルを細胞内へ伝達する。なお、アクチビンAに対する応答性は低かった。また、ALK7を高発現しているインスリン分泌細胞MIN6はアクチビンAB及びBに感度良く応答してインスリンの分泌が促進された。 チロシン水酸化酵素(TH)の発現を指標にニューロン前駆細胞の分化に及ぼすアクチビンの効果を検討した。その結果、アクチビンはbFGFとの協調的作用により、Smad系とMAPキナーゼ系の両シグナル伝達経路のクロストークを可能にし、ドーパミン作動性ニューロンの分化を促進することが分かった。 アクチビン結合タンパク質フォリスタチンの構造変異体の一種FS-1-1がアクチビンの活性には影響を及ぼさず、マイオスタチン(筋肉量を負に制御する因子)のみの作用を選択的に阻害することを明らかにした。さらに、FS-1-1のトランスジェニックマウスを作製したところ、筋肉量が著増し、筋ジストロフィーモデル動物の病態を軽減した。 ラットの肝臓を20%切除すると48時間後から肝再生が始まるが、高分子フォリスタチンFS-315を投与すると、アクチビン受容体の発現に平行して、12時間後から肝再生が著しく促進されることを確認した。
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