研究課題/領域番号 |
15370062
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
金城 政孝 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (70177971)
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研究分担者 |
田村 守 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (80089888)
西村 吾朗 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30218193)
宮崎 忠昭 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (60272431)
野村 保友 山形大学, 工学部, 助教授 (80237883)
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キーワード | 蛍光相関分光法 / 蛍光測定 / 転写因子 / グルココルチコイドレセプタ / 細胞質 / 核蛋白質 / 微環境 / レーザー走査型蛍光顕微鏡 |
研究概要 |
細胞内の微視的な領域、例えば、外界に近い細胞膜の近傍と核に近い深部などや、また個々の小器官、エンドソームや小胞体、ミトコンドリアなどでは、細胞内の位置により、物質の偏りやpH、イオン濃度、また酸素濃度勾配の違いなどを始め、様々な物質の分布の偏りが予想される。細胞内の局所の位置により(空間的に)、また物質の代謝の状態により(時間的)、その内部環境は異なっていることが予想される。そこで本研究は生きた細胞内のダイナミックな分子間相互作用を明らかにするために単一分子レベルの高感度で多点同時測定の蛍光相関分装置(Fluorescence Correlation Spectroscopy、FCS)の試作と基礎研究を行う事を目的とした。 本年度も昨年から引き続き試作機を作ることに重点を置き今年度は2色の蛍光が励起できるようにFCCS測定視野を作った。昨年までにその測定視野を最大4ヶ所測定移動して測定可能な装置として稼働することを確認した。さらに今年はそのうちの2箇所の測定場所を交互に測定する時間を短縮し、約10ミリ秒まで可能とし、データが取得できることを確認した。 当研究室で経験のある、細胞質から核内へ移動して遺伝子の転写調節を行うグルココルチコイドレセプター(GR)を最初の研究対象とした。TPA刺激後に細胞質から核へGRが移動するとともに,FCSで測定された分子数が細胞質では減少,核では増加する過程が観察された。また、さらに、拡散時間の時間的変化、1分子あたりの蛍光強度の変化についても検出、解析を行った。2点同時測定が可能となったので、2点間のシグナルの相関をとることで、空間相互相関法の測定を行なった。 細胞内の物質が移動する場合、その方向性があれば、2点間の場所に相関が出ることが期待でき、新たな測定法ならびに細胞内の解析法の基礎を築いた。
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