研究課題
基盤研究(B)
本研究では、新発見の光合成生物を含む広く多様な光合成系の光合成反応中心複合体及び光捕集系タンパク質の機能と構造の関係を解明し、光合成反応中心の構築原理とその最適化、進化機構を検討した。(1)新たに発見された酸素発生をするが近赤外光を利用するシアノバクテリアAcaryochloris marina、(2)Znを中心金属とするバクテリオクロロフィルをもつ好酸性紅色光合成細菌Acidiphillium rubrum、(3)サンゴに共生する藻類Zooxanthellae、(4)分子進化系統樹からは最も古いタイプの細菌群ともいえる緑色硫黄細菌Chlorobium tepidumと(6)緑色糸状細菌Chlorflexus aurantiacus、(6)初めて遺伝子操作に成功したChlorobium tepidum変異株と(7)脂肪酸組成や(8)概日遺伝子を変えたシアノバクテリアSynecocystis PCC 6803変異株など、多様で生物進化上興味深い光合成生物群の光合成反応中心複合体の示す光エネルギー変換機能と構造、光を集めるアンテナタンパク質の機能と構造を対象に、高度な物理的手法と先端的な分子生物学的手法の組み合わせで研究を進めた。多様な系の研究から光合成機能の本質的な部分はきわめて柔軟な可塑性をもち、これに特殊化した部分が加わることで多様な光合成生物がうまれたと理解される。この理解を深めるとともに、この結果を活用すべく(8)シリカナノ構造体とタンパク質を組み合わせた人工光合成系(一部トヨタ自との共同研究)や、(9)北極圏での新しい光合成系の探索(愛知万博と共同)などもすすめた。本研究の主要課題ではないが、(8)、(9)に関しては世間の関心も高く、50分の特別テレビ番組をはじめ、ラジオ、新聞など様々な形で報道された。
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