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2003 年度 実績報告書

線虫の神経可塑性におけるRas-MAPK経路及びインシュリン経路の機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15370071
研究機関東京大学

研究代表者

飯野 雄一  東京大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (40192471)

研究分担者 國友 博文  東京大学, 遺伝子実験施設, 助手 (20302812)
キーワードC.エレガンス / 行動可塑性 / 嗅覚順応 / 慣れ / 化学走性 / グルタミン酸受容体 / シナプス可塑性 / 介在神経
研究概要

我々は線虫C.エレガンスの新しいタイプの嗅覚順応、早期順応の現象を見出している。早期順応は、線虫に5分間の匂い刺激を与えた後にその匂いへの化学走性行動を測定すると、無処理の場合に比べて顕著に化学走性が低下するという現象である。すでに、この順応には嗅覚神経のみならず、嗅覚神経から入力を受ける介在神経、AIY神経が重要な働きをすること、さらに、AIYでのRas-MAPキナーゼ経路の働きが早期順応に必須であることを明らかにしている。本年度の研究では、早期順応におけるグルタミン酸受容体の働きについて検討した。AMPA型グルタミン酸受容体の線虫ホモログGLR-1の変異体では、早期順応に欠損が見られた。さらに、GLR-1::GFP融合蛋白質をAIY神経に発現させ、その後シナプス部位における局在を調べたところ、Rasの機能欠損変異体では、GLR-1::GFPのドットの数が減少していた。一方、Rasの機能昂進型変異体では各ドットのサイズが小さくなっていた。これらの観察は、Ras、そしておそらくMAPキナーゼの下流でGLR-1グルタミン酸受容体の局在が制御されていることを示唆している。さらに、線虫に匂い刺激を与えてGLR-1::GFPの局在を観察したところ、5分間の匂い刺激の受容により、GLR-1::GFPのドットのサイズが小さくなることが観察された。この局在変化の意味するところは不明であるが、後シナプスの機能部位にGLR-1受容体が集合するという可能性を考えている。匂い刺激によりRas経路を介してこのようなGLR-1の局在変化が起こり、これにより嗅覚神経からAIYへのシナプス伝達が増強され、活性化されたAIY介在神経が化学走性を抑えるというモデルが想定される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hanazawa, Kawasaki, Kunitomo, Gengyo-Ando, Bennett, Mitani, Iino: "The Caenorhabditis elegans eukaryotic initiation factor 5A homologue, IFF-1, is required for germ cell proliferation, gametogenesis and localization of the P-granule component PGL-1"Mechanisms of Development. 121・3. 213-224 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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