研究概要 |
概日リズムは地球上の殆どの生物に観察される重要な時間統御システムと考えられており,その分子機構を探るためにシアノバクテリアを用いて研究を行っている。本研究課題では,概日リズムの中核を担う蛋白質KaiCの機能解析を中心に,概日リズム制御の解析を目的としている。平成15年度の研究経過は以下の通りである。 1.Synechococcusのゲノムワイドな概日発現に関して,KaiCが時計遺伝子のみでなく,ほとんどの遺伝子のプロモーターに抑制的に働くことを示した。また,kaiBCオペロンの概日発現には必ずしも特異的cisエレメントが必要なわけではないことを明らかにし,概日リズムの発振モデルに新たな展開をもたらした(PNAS誌に掲載) 2.ゲノムワイドな転写調節を解析するため,ゲノム情報をもとにDNAチップや網羅的プロモーター=ルシフェラーゼ融合レポーターの作製を進めた。
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