研究課題/領域番号 |
15370090
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
今本 尚子 独立行政法人理化学研究所, 細胞核機能研究室, 主任研究員 (20202145)
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研究分担者 |
谷口 直子 大阪大学, 大学院・生命機能研究科・神経可塑性生理学研究室, 特任教員(COE) (90360586)
小瀬 真吾 独立行政法人理化学研究所, 細胞核機能研究室, 研究員 (90333278)
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キーワード | 核-細胞質間輸送 / 核膜孔複合体 / 核膜孔複合体構成因子 / importin β / 輸送担体 |
研究概要 |
1分子可視化技術を利用して輸送担体importinβと核膜孔複合体の相互作用を調べたところ、核膜孔複合体にはimportinβに対するおよそ70nM程度のアフィニティーを示す100〜200の結合サイトと、サブピコモルオーダーの8〜16の非常に強い結合サイトが存在することが明らかになった。GFP標識したimportinβや基質が孔を通過する際の核膜孔上の滞在時間から、核膜孔を通過するimportinβ単体は強い結合サイトへ結合すると考えられる。それに対し、基質/importinβ複合体は孔を通過しないRan非存在の条件下では、弱い結合サイトへの結合は認められるものの、強い結合サイトへの結合が認められなかった。しかし、Ranが存在すると、基質/importinβ複合体はimportinβ単体で見られた滞在時間よりも短いものの、弱い結合サイト以外の結合サイトへの結合が見られ、そのサイトへ結合することが通過反応に必須であることが通過速度の解析から示唆された。通過反応に必須と考えられるそのサイトと、importinβに対する強い結合サイトが深く関連する可能性が高い。importinβに対する強い結合サイトがimportinβ輸送経路の通過反応に重要であることを示すため、現在、importinβと最も強い結合定数を示す核膜孔複合体構成因子欠損細胞の作製をRNAi法を利用して進めており、欠損細胞を用いてimportinβ輸送経路の活性を調べようとしている。また、importinβの結晶構造を指標に、通過反応に支障を来たす複数のimportinβ点変異体の作製に成功している。現在、野生型importinβとその変異体との間に、結合する核膜孔複合体構成因子の種類とアフィニティーにどのような違いがあるのかを、光化学架橋法と単離した核膜孔複合体構成因子の両方を用いて調べている。
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