研究課題
基盤研究(B)
1分子可視化技術を利用してimportinβと核膜孔複合体の相互作用を定量的解析によって調べたところ、核膜孔複合体にはimportinβに対するおよそ70nM程度のアフィニティーを示す多数の結合サイトと、0.3nM程度の8個の結合サイトが存在することが明らかになった。輸送速度と滞在時間の相関関係を求めたところ、細胞質から核内に向かった通過反応において、分子は複合体内の8個の結合サイトを利用して核内に移入する結果が得られた。生細胞内でも運搬体分子と基質の1分子挙動を核膜孔複合体上で観察することに成功し、再構築系で得られた数値は生細胞内の反応にも適応しうることがわかった。生化学的解析から、強い結合サイトを構成する核膜孔複合体構成因子として、核膜孔複合体の核質側バスケット状構造の底に存在するNup153が考えられた。そこで、RNAiでNup153をknockdownした細胞のセミインタク細胞を用いたin vitro輸送系を利用して、importinβと塩基性NLS基質の核内輸送反応を調べた。その結果、基質の核内輸送の顕著な低下が認められた。Nup153の除去が複合体の全体構造に影響を及ぼさないこと、transportinで運搬されるM9基質や、単独で核膜孔複合体を通過することを証明しているβ-カテニンの核内輸送が、importinβで得られた知見と一致するかが、今後の課題である。また、この研究の過程において、importinβやβカテニンの細胞質から核に向かった通過反応と、核から細胞質に向かった通過反応では、分子間相互作用に違いがあるという予想外の結果が得られ、その結果の一部はJ.Biol.Chem.(2004)に報告した。また、importinβファミリーの核外輸送反応には分子シャペロンhsc70が関与することを明らかにし、その結果をJ.Cell Biol(2005)に報告した。
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