研究課題/領域番号 |
15370095
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
横山 尚彦 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (70191525)
|
研究分担者 |
鳴瀬 善久 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (00326216)
大橋 憲太郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (50332953)
|
キーワード | 繊毛 / inv / policystin / 腎臓 / カルシウム |
研究概要 |
内蔵逆位を示すinvマウスは、腎臓の嚢胞形成や黄疸をも合併する。原因遺伝子であるInvは繊毛に存在し、カルモデュリンと結合する。さらに、その結合はカルシウムにより制御されている。一方、ヒト多発性嚢胞腎の原因遺伝子(PKD1,PKD2)産物はpolycystinsと呼ばれるが、polysystin 1と2は複合体を形成しCa^<2+> channelとして機能している。さらに、PKD2ノックアウトマウスでも内臓逆位を生じる。inv遺伝子機能がCa2+-カルモデュリンによって制御されることから、invはPKD遺伝子の下流で機能している可能性がある(DGD)。さらに、Inv蛋白、polycystin2ともに繊毛に存在する。 本研究ではPKD2とinv蛋白が共通のシグナル伝達経路を使用しているかを検討した。そのため、invマウスの腎臓細胞への水流付加による反応性を検討することにより、inv蛋白がpolycystin経路とどのような関連があるかを検討した。 まず、生後2から3日までの正常およびinvマウスより腎臓を摘出し、さらにレクチンにより尿細管細胞を分離し培養した。この培養細胞にSV40を感染させ、不死化細胞株を確立した。それらの細胞株に対して水流刺激を与え、カルシウムの流入を調べたところ、正常腎細胞、invマウスの腎臓細胞とも水流刺激に反応しカルシウムが流入することが明らかになった。 この結果は、もし、inv蛋白がpolycystin経路とシグナル経路を共有するならpolycystinの下流で機能することを示す。現在、下流で機能する遺伝子を検索中である。
|