研究課題/領域番号 |
15370097
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
星 元紀 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (20012411)
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研究分担者 |
小林 一也 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (50360110)
松本 緑 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00211574)
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キーワード | プラナリア / 生殖様式の転換 / 有性化物質 / 分裂誘導物質の単離・同定 / 関連遺伝子群 / 新生細胞の単離・培養・移植 / 核学的解析 |
研究概要 |
扁形動物プラナリアの一種、リュウキュウナミウズムシ無性個体のクローン集団(OH株)に、有性生殖を行うムシを餌として与えると、雌雄同体性の生殖器官が発達し、有性生殖を始める(有性化)ようになる。本研究は有性個体に含まれている有性化因子を単離・同定することと、有性化に関与する遺伝子群を明らかにすることを目的としている。 前者については、湿重量約4g(約300匹)の有性化OH個体をPBS中で懸濁し、100kxgで遠心にかけた。その後、上清画分をSep-Pakカラム(C18)10%MeOH画分に著しく有性化因子を回収できた。これに対して逆相クロマトグラフ(C18)を行ったところ、10%〜30%MeOHの勾配で溶出した画分に有性化活性が認められ、有性化因子が確かに若干の疎水的性質を持つことを示すことができた。この画分に対して陰イオン交換クロマトグラフ(MonoQ)を行ったところ、素通り画分、NaCl勾配100mM〜150mM、200mM〜220mMの3画分にOH個体を完全に有性化させられないものの、卵巣を誘導する活性が認められた。 後者については、有性化に伴い発現する遺伝子として10種類のものが取れ、そのうちのDurgon1はhsp20モチーフを持ち、無性個体では発現されないが、有性化開始直後1日目ですでに発現が認められ、特に、卵巣、精巣の生殖細胞のうち分化初期にのみ発現した。またDrpnr15は核内受容体・ステロイドホルモンと高いホモロジーを持ち、卵巣特異的な発現が見られた。これらの結果はストレス応答や内分泌系が有性化に関わる可能性を示している。
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