| 研究課題/領域番号 |
15370100
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
片山 一道 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70097921)
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| 研究分担者 |
井上 貴央 鳥取大学, 医学部, 教授 (20116312)
深澤 芳樹 奈良文化財研究所, 平城京跡発掘調査部, 主任研究官 (40156740)
長尾 正崇 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80227991)
國松 豊 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (80243111)
本郷 一美 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (20303919)
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| キーワード | 古人骨 / 受傷痕 / 戦闘武器類 / 骨考古学 / 実験考古学 / 四分遺跡 / 青谷上寺地遺跡 / 弥生時代 |
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| 研究概要 |
引き続き、弥生時代の各種武器類のレプリカ、あるいは包丁類を用いて、ニホンザルやイノシシの新鮮骨に骨損傷を作るモデル実験を展開、発掘人骨で検出された骨損傷と具体的に比較分析する研究を伸展させた。さらに、それら骨損傷をそれぞれ、実体顕微鏡で形態学的に分析するとともに、CT断層撮影とX線撮影による解析方法を試行した。それに併行して、奈良県の四分遺跡、神戸市の新方遺跡、鳥取県の青谷上寺地遺跡で出土した弥生人骨の殺傷痕等について、CT断層撮影を行い、樹脂模型を作成する作業を継続した。ことに青谷上寺地人骨で認められた殺傷痕は100点あまり点数にのぼるが、そのほとんどについて、原因武器が推定できた。四分遺跡と新方遺跡で出土した人骨の受傷痕についても、ほぼ報告書を完了する段階に達した。動物の新鮮骨に実験的に生じしめた骨損傷、司法解剖例で検索した現代人の骨損傷、四分遺跡や新方遺跡や青谷上寺地遺跡の人骨で見つかった受傷痕等を肉眼解剖学や考古学や法医学の方面から専門的に比較検討するために、1月に京都大学でワークショップを開催した。だんだんレプリカ武器類による骨損傷モデルが精巧になり、具体的に比較する照合例が増加してきたため、骨損傷の原因武器を同定する精度が格段にあがり、弥生時代人骨での殺傷痕の真贋を見極める方法論が漸く確立できたと評価できよう。骨損傷の態様について、骨突創/骨刺創、骨切創、骨射創、骨挫創に分類する新しい分析法が有効性をもつと判明したことの意義も大きい。ともかく当初の研究計画は順調にはかどり、弥生時代に実際に用いられた武器類を特定し、それによって生じた骨損傷の態様を定量的に提示でき、もって、その頃にくり広げられた「倭国の大乱」などの争いごとや戦闘行為の実態を実証的に解明する道が開けたことで意義は大きい。
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