研究課題/領域番号 |
15370103
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
中村 晴信 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10322140)
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研究分担者 |
奥田 豊子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (90047308)
甲田 勝康 関西医科大学, 医学部, 講師 (60273182)
寺田 護 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30046297)
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キーワード | 食事制限 / 馴化 / 脳内ホルモン / 食欲 |
研究概要 |
げっ歯類や霊長類などの動物に栄養不良の伴わない食事制限を行うと、寿命か延長することが知られている。長期の食事制限をした場合においては、生理機能に適応がおこることが考えられるが、逆に、食事制限を普段実践していない被験者にとっては、食事制限がストレスとなって生体に対して様々な影響をもたらすことも考えられる。今回我々は、食事制限を行っている者を対象に、食欲に関連する脳内ホルモンを中心に測定し、食事制限に対する馴化の過程について調査検討した。さらに、これらの影響については、げっ歯類を用いて確認した。 対象者は大阪府内の某企業の健康増進施設において、健康増進プログラムを受講した者のうち、同意を得られたものである。同施設では主にエネルギー制限を中心とした食事指導をプログラムの中心として実施されている。対象者は無作為に中等度エネルギー制限群および軽度エネルギー制限群の二群に分けられ、摂取エネルギー以外のプログラムは同じであった。 同健康施設入所により、両群共に、体重の低下が観察された。血清脂質、肝機能については、低下は認められたものの有意ではなかった。レプチン、活性グレリン、非活性グレリンは両群ともに低下が認められたものの、これも有意ではなかった。 食事制限を実践する際に、食欲のコントロールや、食事制限が栄養ストレスとなって生体に与える影響が問題になると考えられるが、今回の結果は、適度な食事制限を行うことにより生体に重大な影響を及ぼすような副作用にはいたらない、もしくは、食事制限に対する馴化が短期間のうちに働いている可能性が示唆された。
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