研究課題
基盤研究(B)
本研究はエピジェネティック変異の主要な原因と考えられているDNAメチレーションに着目し、エピジェネティックな原因によるゲノム変異を網羅的に探索した。また環境に応じてメチル化レベルを変化させるトランスポゾンを見出し、そのメチル化可変機構を明らかにした。1 イネの近縁種間での特徴化この解析により、同一の構造を有していながらメチル化状態を異にする断片が特定の頻度で存在することを判明した。この断片を特定するためにイネのトランスポゾン様配列、MITEを基にトランスポゾンディスプレイ法を開発した。メチル化を異にする断片をエビジェネティックマーカー断片とし、この断片の発生頻度をイネの系統間で詳細に解析した。得られたエピジェネティックマーカー断片を単離した後、その構造解析を行い100断片の染色上の位置を特定した。2 キンギョソウのメチル化可変機構の解明キンギョソウのトランスポゾンTam3は温度に応じて転移活性を変化させる。低温では転移が促進され、高温では抑制される。温度による転移活性の変化はメチル化の変化も伴う。高温でTam3転移が抑えられている時にはメチル化は高くなり、低温の時Tam3が高くなるとメチル化は低くなる。このメチル化の変化はTam3の転移酵素の結合に伴って低下する後生的な現象であること明らかにした。この結果はメチル化が必ずしもトランスポゾンの制御に関わるとは限らないことを示した。本研究では、植物ゲノムのメチル化の変化は二種あり、一つは遺伝的に固定したメチル化の変化であり、もう一つ体細胞レベルで変化するメチル化があることを明らかにし、育種学的に重要な形質変異の中にはエピジェネテックな変異が数多く潜在している可能性が示唆された。
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