研究課題
基盤研究(B)
本研究では、エチレンが介する植物-アグロバクテリウム相互作用を解明し、その知見を利用したウリ科作物への遺伝子導入効率の良いスーパーアグロバクテリウムを分子育種することに取組んだ。その結果、以下の成果が得られた。1.エチレンはアグロバクテリム菌自体の生育を抑制するのではなく、エチレン反応を示す植物がアグロバクテリウムのvir遺伝子群の発現を抑制すること、この抑制効果はエチレン処理により植物細胞内で蓄積もしくは消失する物質よることを明らかにした。この結果より、アグロバクテリムに植物のエチレン生合成を抑制する能力を付与することで、遺伝子導入能力が向上するものと考えられた。2.リゾビトキシンは、ダイズ根粒菌が生産するエチレン生合成阻害剤であり、宿主植物のエチレン発生を低下させる。本研究では、ダイズ根粒菌USDA94株のrtxACDEFG遺伝子及びミヤコグサ根粒菌のOAH合成遺伝子をアグロバクテリウムC58株に導入し、リゾビトキシンを生産させることに成功した。ACCデアミナーゼは、各種共生細菌が生産する酵素で、エチレン前駆体であるACCを分解し、植物のエチレン生合成を抑制すると考えられている。本研究では、シュードモナス由来のACCデアミナーゼ遺伝子をアグロバクテリウムC58株に導入し、ACCデアミナーゼ酵素活性を付与することに成功した。3.リゾビトキシンもしくはACCデアミナーゼを生産するアグロバクテリムC58株(以降、スーパーアグロバクテリム)のメロンへの遺伝子導入能力を検討した。その結果、両株ともメロンの形質転換効率を有意に上昇させた。ACCデアミナーゼ生産C58株について、シロイヌナズナへの遺伝子導入効率も向上することを示した。以上のように、本研究では植物への遺伝子導入能力を向上したスーパーアグロバクテリウムの分子育種に成功した。
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