研究課題/領域番号 |
15380006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
奥本 裕 京都大学, 農学研究科, 助教授 (90152438)
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研究分担者 |
中崎 鉄也 京都大学, 農学研究科, 助手 (60217693)
山田 利昭 京都大学, 農学研究科, 教授 (80959700)
谷坂 隆俊 京都大学, 農学研究科, 教授 (80026591)
堀端 章 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (70258060)
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キーワード | イネ / トランスポゾン / MITE / mPing / 転移 / Rurm1 |
研究概要 |
イネ品種銀坊主に誘発された易変性細粒突然変異はRurm1座にmPingの挿入をもつ。銀坊主においては他にもHd1座へのmPingの挿入突然変異の誘発が確認されており、銀坊主はmPingによる突然変異頻度が高い品種の可能性がある。また、銀坊主のmPingのコピー数は日本晴、コシヒカリの数倍であり、銀坊主はmPingの転移に関して特異な遺伝子型をもつと考えられる。この点を明らかにするため、銀坊主のPingおよびPongの数を日本晴と比較した結果、Pingの数は日本晴が1個であるのに対して、銀坊主では7個であること、およびPongの数に関しては両者に差異がないことが判明した。系譜からPingの増幅時期を明らかにするため、銀坊主の親品種である「愛国」系品種67品種を取り寄せてPingの数を調査した結果、63品種は0〜2個であり、5個、6個、7個および8個の品種が1品種ずつ認められた。これに対して、「銀坊主」系品種では22品種中、0〜2個のものが21品種であり、4個の品種は1品種のみであった。さらに、Pingの数が5〜8個の愛国系品種のmPingの数は0〜2個の愛国系品種のmPingの数よりもはるかに多いことが判明した。以上のことから、当研室の銀坊主はPingおよびmPingの数が多い愛国系品種から由来したこと、PingとmPingの増幅は同調していることが示唆された。つぎに、異なる遺伝子座に挿入されているmPingの転移頻度を培養細胞において比較した結果、Rurm1座に挿入されているmPingが37個体の個体別カルス中、5個体のカルスにおいて切出しが認められたのに対して、Hd1座に挿入されているmPingは40個体の個体別カルス中に切出しは認められなかった。したがって、易変性細粒突然変異において観察される高いmPing転移頻度は銀坊主の特異性とRurm1座の特異性との相乗効果によるものと考えられた。
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