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2003 年度 実績報告書

雑草のもつ活性酸素抵抗性とその発現誘導の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15380011
研究機関筑波大学

研究代表者

松本 宏  筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (10199888)

研究分担者 春原 由香里  筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (00302539)
沈 利星  筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (30272157)
キーワード雑草 / 光酸化ストレス抵抗性 / 活性酸素 / 抗酸化酵素活性 / 抗酸化酵素遺伝子 / 膜の過酸化傷害
研究概要

雑草は植物の中でも特に優れた環境適応能力を有している。本研究では雑草を含む多種の植物を対象として、環境ストレスに共通する光酸化ストレスへの耐性機構と、ストレス情報伝達の分子機構の解明を目指している。光酸化ストレスの本質が活性酸素の発生増加であることから、植物における生体防御機構としての抗酸化応答について、酵素および遺伝子レベルで解析を行っている。
マメ科雑草Sesbania rostrataは強い耐塩性を有していが、本種は積極的に根から塩を吸収して地上部に移行させており、茎葉細胞におけるストレス回避機構が注目される。高塩環境は活性酸素の発生増加を引きおこすが、S.rostrataの茎葉細胞では各種の抗酸化酵素活性が大きく、かつ、塩濃度上昇に伴う活性誘導も大きいことを明らかにした。また、抗酸化酵素のうち細胞質型アスコルビン酸ペルオキシダーゼの応答が顕著なケースが見出され、短時間で抗酸化酵素遺伝子の発現誘導に至る過程の検討を行っている。
光が作用を強化させ、細胞の過酸化傷害を起こす化合物について、作用機序および耐性植物の機能を解析した、水稲用除草剤キンクロラックの作用は光照射下において増強されることから、光や活性酸素が作用に関与している可能性がある。本剤に対して耐性を示すイネは先天的に高い抗酸化酵素活性を有しており、感受性のイヌビエ、ヒメタイヌビエ、タイヌビエでは活性が非常に低かった。これらのことから本剤のイネ科植物間における選択作用性への活性酸素消去系の関与を明らかにした。マメ科植物のムクナが生産するアレロパシー物質L-DOPAは他の植物種の細胞に過酸化傷害をもたらすが、この作用はメラニンの合成系が活性化されることにより発生が増加する活性酸素傷害であることを明らかにした。
一連の研究で活性酸素の直接測定を行うため、導入したフリーラジカルモニターによる植物組織共存下での測定法について検討し、一部の分子種の測定を可能とした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Jungklang J., Y.Sunohara, H.Matsumoto: "Antioxidative enzymes to NaCl stress in salt-tolerant Sesbania rostrata Brem. & Oberm"Weed Biology and Management. 4・2(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] Luo, X.Y., Y.Sunohara, H.Matsumoto: "Fluazifop-butyl causes membrane peroxidation in the herbicide-susceptible broadleaf weed bristly starbur (Acanthospermum hispidum)"Pesticide Biochemistry and Physiology. 78・2. 93-102 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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