研究課題/領域番号 |
15380012
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
竹内 安智 宇都宮大学, 野生植物科学研究センター, 教授 (90008003)
|
研究分担者 |
横田 孝雄 帝京大学, 理工学部, 教授 (40011986)
米山 弘一 宇都宮大学, 野生植物科学研究センター, 教授 (00114174)
|
キーワード | ミズアオイ科水田雑草 / コナギ / アメリカコナギ / 種子発芽 / 発芽促進 / 休眠打破 / 発芽刺激物質 / エチレン |
研究概要 |
平成15年度に得られた成果は以下の通りである。 1.アメリカコナギ種子 (1)種子は「湛水+光」の2条件が揃った時に発芽した。秋に結実した種子の休眠は湿潤下で一定期間低温に遭遇することにより覚醒した。 (2)発芽における「湛水」と「光」の役割は、それぞれ、エチレンと発芽刺激物質の生合成の誘導と考えられる。「光」の作用はイネ種子によって代用できたが、イネの品種間差は認められず、タイヌビエなどの雑草の成長を抑えると報告されているコウケツモチ、PI312777などの品種も湛水・暗所下のコナギ種子の発芽を誘導した。 (3)「付傷」とコチレニンは「湿潤・暗所」下で種子発芽を誘導した。 以上の事実は、これまでにコナギで明らかにされている結果と全く同様であった。 また、「湿潤+光」及び「湛水+暗黒」の条件により種子に二次休眠が誘導されたが、フルリドンとGAがこの休眠の導入を抑え、休眠覚醒を促進した。活性はフルリドン>GAであった。 2.コナギ種子 (1)湛水土壌からのコナギの発生をイネの種子、幼苗、モミガラ、ヌカおよびワラのいずれも促進した。特に、ヌカとモミガラの促進作用が顕著であった。またイネワラの促進作用には品種間差異は認められなかった。 (2)ヌカの100kg/10a程度の施用はコナギの発生を著しく促進したが、300kg/10aの施用は土壌の還元化も加わり発生を抑制した。 (3)モミガラは、湛水土壌中の深い位置に存在するコナギ種子に二次休眠を誘導した。 (4)イネのワラ、ヌカをメタノール抽出後、酢酸エチルで分画した時、水溶性区は種子を誘導したが、高濃度では阻害した。 (5)除草剤のビアラホス、グルフォシネートやグリホサートなどは湛水土壌からの発生を顕著に促進した。 3.イネに含まれるコナギ種子発芽刺激物質 イネの種子やワラなどに含まれる発芽刺激物質は単一ではなく、各種アミノ酸とリン酸が侯補化合物として示唆され、これらが共存することによって発芽刺激活性が発現するようであった。
|