研究課題/領域番号 |
15380012
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
竹内 安智 宇都宮大学, 野生植物科学研究センター, 教授 (90008003)
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研究分担者 |
米山 弘一 宇都宮大学, 野生植物科学研究センター, 教授 (00114174)
横田 孝雄 帝京大学, 理工学部, 教授 (40011986)
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キーワード | ミズアオイ科雑草 / コナギ / 種子発芽促進 / 発芽刺激物質 / 出芽促進 / 窒素肥料 / エチレン |
研究概要 |
平成17年度に得られた成果は以下の通りである。 1.前年までの研究からコナギの発芽誘導物質は水溶性物質であり、各種アミノ酸とリン酸との共存により発芽刺激がもたらされることが示唆されたが、本年の研究では、完全滅菌条件下でこれらの組み合わせによる効果が発現しなかった。これまでのところ、このような微生物の発芽誘導作用は、コナギ種皮の消化による物理的破壊、発芽阻害物質の分解代謝、発芽誘導物質の合成等による可能性が考えられる。 2.既存の植物ホルモン類および植物生理活性のなかでは、コチレニンのみが発芽誘導活性(暗所)を示した。 3.カロテノイド生合成阻害剤のフルリドンとノルフルラゾンは、低温・明所下でのコナギの発芽を促進し、二次休眠の覚醒促進及び導入阻害作用を示した。フルリドンなどにジベレリン様の生理作用があるためと考えられる。 4.湛水土壌でのコナギの出芽に対する肥料の影響は、尿素、硫酸アンモニウム、塩化アンモニュウム及びカルシュウムシアナミドで促進効果が大きく、硝酸アンモニュウムと硝酸カリウムはやや促進効果を示したが、硝酸ナトリウムでは促進効果が認められなかった。これらのことからアンモニア体窒素の存在がコナギの出芽のシグナルとしても働くことが示唆された。 5.湛水下土壌からのコナギの出芽数は尿素施肥(1〜10kg/10a)により増加したが、その生長はイネ幼苗により相乗的に促進された。 6.アンモニア態窒素と尿素は10^<-4>〜10^<-5>Mで低温下でのコナギ種子発芽を促進したが、その要因として、これらがACCからエチレンへの反応を促進し、さらにエチレン感受性を高めることが示唆された。 7.コナギ種子の休眠覚醒にはジベレリンよりもエチレンの関わりが大きいことが示唆された。 8.スルフォニルウレア系除草剤抵抗性および非抵抗性のコナギ種子はいずれもイネにより、発芽が誘導された。
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