研究課題
基盤研究(B)
食用カンナは草高が3mにも達し、台風等の強風に遭遇すると倒伏を招き乾物生産が抑制される場合がある。そこで、(1)地上部と地下部の関係を、形態形成と関連させつつ数理モデルによる解析を行った結果、地上部は側面の投影面積が大きく、草高、株元の幅、立毛角の3パラメータで決定され、草高を2m程度に短縮すると、倒伏の危険を外力ては10〜20%、内力ては自重転倒モーメントの減少により約50%の軽減することがわかった。次に、(2)生産力の基礎として、光合成と葉組織構造の関係を検討した。本種は単子葉であるが双子葉型の柵状組織と海綿状組織を有する特徴があり、光合成速度は光強度が1500μmol/m^2/sでは飽和せず、また、葉肉が厚いのでCO_2濃度が2000μL/Lまで光合成速度は飽和しなかった。気孔開度と気孔密度は背軸面の方が大きく、蒸散は主に背軸面で行われるが、充実した陽生的な柵状組織のある向軸面が高い光合成能力を有すると考えられた。また、(3)圃場での栽培では、210日間て35t/haという高い乾物生産が得られたが、イモ(根茎)収量は16t/haと高くはなかった。さらに、(4)直接の形質改善へ向けて、in vitroでの個体発生制御を試みた。過去に培養例がないので、至適培地を作成するため寒天と液体のMS培地を用いて、成長点組織に及ぼす寒天、BA、IBAおよびNAAの濃度を検討したところ、液体は有効でなく、寒天は8g/Lが最適であった。BAO.5mg/L+IBA1mg/Lの場合最も外植片が成長し、低濃度BAと高濃度IBAの組み合わせで高い発根率を示し、発根すると成長が急激に促進された。また、培地にTIBAを添加すると多芽体が得られた。コルヒチンにより倍加細胞群が出現したが、個体までには至らなかった。しかながら、本研究により試験管内で食用カンナの大量増殖の見通しが立ったので、いずれ理想型の草姿を有する個体が得られるものと期待される。
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