芝生への接触と人の生理心理反応:刈高の異なる芝生に裸足で触れた時の脳血流、POMS、印象評価を解析した結果、POMS、印象評価では刈高の高い芝生と低い芝生との間で異なる結果となったが、脳血流では差は見られなかった。 校庭の芝生と生徒の校庭利用の関係:千葉県内で校庭に芝生がある学校とない学校を対象に校庭の利用実態を調べた結果、芝生があることによって校庭で遊ぶ児童の割合や頻度が高くなる傾向があり、芝生が校庭での遊びを促し活発化させる可能性のあることがわかった。また、芝生がある学校では地面に触れる動作をより多く含む行動が多かったことから、芝生は接地行動を促す可能性があると考えられた。 対植に対する日本人と韓国人の眼球運動の比較:対植が一般的な韓国と少ない日本において、それぞれの配植の視覚心理的背景を探るために対植に対する韓国人と日本人の眼球運動を比較・検討した。5つの対植パターン(円錐形の2本、球形の2本、円錐形で高さが異なる2本、球形で幅と高さが異なる2本、円錐形と球形)に対する好みの度合を調査した結果、両国ともに球形2本のパターンをもっとも好むという類似の傾向が見られた。上記の5パターンのうち、2本の形状が異なるパターンの左右を入れ替えたパターンを加え、計8パターンに対する眼球運動を計測した結果、日韓ともに総停留時間ではいずれのタイプにおいても有意差は見られず、停留点分布範囲でも類似の傾向が見られた。これに対して、視覚対象範囲を左、中、右に3区分した場合ではいくつかの対植パターンにおいて総停留時間、停留点数、および平均停留時間に有意差がみられ、韓国人・日本人の眼球運動に違いが見られることが分かった。特に日本人では2本の樹木の間にも停留点が分布する被験者が見られ、日本人の特徴的な眼球運動と考えられた。
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