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2004 年度 実績報告書

侵入地と原産地個体群の比較による侵入昆虫の分布拡大におよぼす生物群集の影響

研究課題

研究課題/領域番号 15380039
研究機関山形大学

研究代表者

安田 弘法  山形大学, 農学部, 教授 (70202364)

研究分担者 櫻谷 保之  近畿大学, 農学部, 教授 (80153964)
中村 寛志  信州大学, 農学部, 教授 (70123768)
キーワード生物群集 / 外来種 / 分布拡大 / 種間相互作用 / テントウムシ
研究概要

1)日本に侵入した植食生インゲンテントウの原産地での被害実態と天敵類の調査
2004年の9,月22日から25日に原産地であるグアテマラ高地でインゲンテントウの被害実態と天敵類の調査を実施した。調査場所はチマルテナンゴにある農業試験場のインゲン圃場と付近の一般農家の畑で、インゲンの品種ごとの被害率や天敵の採集を行った。その結果、同じインゲンでもblack bean品種はほとんど被害を受けていないこと、寄生蜂と日本では確認されていない寄生蠅による寄生率はあわせて50%程度みられたこと、さらにインゲンテントウ鞘翅の斑紋に大きな変異がみられたことなど日本の侵入個体群と比較検討できる原産地でのデータを収集した。
2)日本に侵入した捕食性テントウの分布状況
フタモンテントウはこれまで大阪南港地区から殆ど分布が拡大しなかつたが、2004年には神戸市も含む周辺地区への拡大が認められた。したがって、本種は少なくとも10数年間の定着期を経て、分布が拡大する傾向にあり、これらの地域では、本種が在来テントウムシに対して優占的であった。一方、1987年に沖縄県で発見された侵入ハイイロテントウは沖縄本島で広く分布し、夏季以外はほぼ年中発生し、外来種のギンネムキジラミを捕食するため、ギンネム上では優占的傾向を示した。しかし、ハイビスカス等他の植物では在来のダンダラテントウ等が優占的であった。以上のように、これらのテントウムシは、日本で分布が拡大する傾向にあり、在来種との種間関係が認められた。
3)日本に侵入した捕食性フタモンテントウと在来種幼虫の種間相互作用
フタモンと在来種のナナ、ナミ、ヒメカメノコの3種の種間相互作用を同種のみの単独区と他種を付け加えた混合区で比較した。フタモンより体サイズの大きいナナとナミは餌が減少した3、4令の時にフタモンを捕食したが、フタモンより体サイズが小さいヒメカメノコでは、フタモンとの混合区で単独区より死亡率が高い傾向にあった。このことから、幼虫の種間相互作用は体サイズに依存し、在来種でもフタモンより小型の種はフタモンから生存への負の影響を受ける可能性が高いと思われた。また、フタモンはナミから攻撃されても植物体から落下せずに滞在するので被捕食割合が高く、このような攻撃後の行動も侵入種と在来種の種間相互作用に影響を及ぼすと思われた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Dropping behaviour of larvae of aphidophagous ladybirds and its effect on incidence of intraguild predation2005

    • 著者名/発表者名
      Sato S., Yasuda H., Evans E.W.
    • 雑誌名

      Ecological Entomology (in press)

  • [雑誌論文] Asymmetric larval interactions between introduced and indigenous ladybirds in North America2004

    • 著者名/発表者名
      Yasuda H.et al.
    • 雑誌名

      Oecologia 141

      ページ: 722-731

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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