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2004 年度 実績報告書

カイコ培養細胞の代謝改変を目的としたマイクロアレイによる遺伝子発現の網羅的解析

研究課題

研究課題/領域番号 15380042
研究機関山口大学

研究代表者

小林 淳  山口大学, 農学部, 教授 (70242930)

キーワードカイコ / サクサン / 培養細胞 / マイクロアレイ / ウイルス感受性 / 遺伝子発現 / 代謝改変
研究概要

カイコ由来BmN4における培地依存的な遺伝子発現を、新たに開発されたオリゴDNAマイクロアレイを用いて分析した結果、TC-100(+10%)培地とSf-900II培地の間で2倍以上発現量が異なる遺伝子を383個(TC>Sfが262個、Sf>TCが121個)検出できた。TC-100(+10%)培地で発現が増加する遺伝子にはコラーゲンなど細胞外マトリクスや糖鎖修飾など分泌経路に関わるものが多く含まれており、一方、Sf-900II培地では特定のレクチンや熱ショックタンパク質遺伝子の発現が増加していた。特に発現量に大きな差が見られた遺伝子のプロモーターは、培養細胞における遺伝子発現を培養液成分で制御できるので、有用タンパク質生産に利用可能であると判断された。
比較対照として供試したサクサン由来AnPe細胞については、前年度のディファレンシャルディスプレイ(DD)分析で同定された培地感受性遺伝子のうち、TC-100(+10% FBS)培地で発現が多くなる2遺伝子(GC10dとGC19f)と、Sf-900II培地で発現が多くなる3遺伝子(CA09f,CA15dおよびCA20d)について定量RT-PCR分析で再現性が確認できた。これらの遺伝子は、2種類の培地の等量混合培地や10%血清添加Sf-900II培地において、若干の例外はあるものの中間的な発現量を示す傾向が見られ、ウイルス感受性も中間的であった。したがって、AnPe細胞における5種類の遺伝子の発現調節とウイルス感受性は、主に血清中の成分とSf-900IIの成分のバランスで決定されていると判断された。同定された5種類の遺伝子とウイルス感染との関連については今後検討を行う。
なお、BmN4細胞とAnPe細胞における培地による遺伝子発現パターンの変化を比較した結果、一部の熱ショックタンパク質遺伝子の発現量変化に共通性が認められた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Cationic liposomes mimic the promoting protein-mediated enhancement of Bombyx mori nucleopolyhedrovirus replication in cultured B.mori cells2004

    • 著者名/発表者名
      Toshimichi Kanaya
    • 雑誌名

      Journal of Insect Biotechnology and Sericology 73

      ページ: 1-6

  • [雑誌論文] Nucleotide sequence analysis of p10 gene of Antheraea pernyi nucleopolyhedrovirus and construction of two transfer vector plasmids2004

    • 著者名/発表者名
      Ken-ichi Maegawa
    • 雑誌名

      International Journal of Wild Silkmoth & Silk 9

      ページ: 53-60

  • [図書] 新編 農学大事典2004

    • 著者名/発表者名
      山崎 耕宇
    • 総ページ数
      1786
    • 出版者
      養賢堂

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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