研究課題
基盤研究(B)
1.クワウレアーゼのカイコ幼虫体内への選択的取り込み:クワ根から抽出したウレアーゼを5齢の6-8日目幼虫に投与したとき、投与量の約8%がカイコ体内に選択的に取り込まれた。他の生物由来のウレアーゼでは、その取り込み効率が極めて低かった。免疫電顕観察から、その取り込み部位は中腸細胞にあるMicrovilliであることが明らかになった。2.ウレアーゼ遺伝子の分離・同定:全長ウレアーゼに加えて、部分欠損ウレアーゼ遺伝子を分離した。全長ウレアーゼ遺伝子から推定されるアミノ酸配列は、他の植物ウレアーゼと高い相同性があり、837アミノ酸残基から成っていた。また、ウレアーゼの活性発現に関わるアクセサリータンパク遺伝子であるUreG遺伝子の部分配列を決定した。3.発芽苗でのウレアーゼ活性と遺伝子発現:発芽苗の幼根部で高いウレアーゼ活性があったが、胚軸、子葉ではほとんど活性がなかった。しかし、遺伝子発現を調べると、全ての器官で高い発現が検出された。このことは、酵素活性の発現には、UreGタンパクなどの遺伝子産物が関与していると示唆される。4.カイコ体内に取り込まれる新規タンパク質の網羅的検出:ビオチンでラベル化したクワ葉の全タンパク質をカイコに投与した。二次元電気泳動の結果から、15種類のラベル化タンパク質がカイコ体液に取り込まれていることが明らかになった。5.クワ形質転換系の開発:ウレアーゼをトランスポーターとして、有用遺伝子をカイコに導入するためには、ウレアーゼ遺伝子と有用遺伝子を連結したキメラ遺伝子をクワに導入する必要がある。遺伝子銃でクワ組織に外来遺伝子を導入するときに必要となる発現用ベクターを構築した。なお、このベクターには、レポター遺伝子(GUS)と選抜マーカー遺伝子(HTP)がコードされている。
すべて 2006 2005 2004 2003 その他
すべて 雑誌論文 (26件) 図書 (1件)
J.Insect Biotech.Sericology 75
ページ: 1-8
Protoplasma (In press)
Int.J.Wild Silkmoth & Silk 10
ページ: 17-26
繊維学会誌 61
ページ: 115-117
J.Insect Physiol. 51
ページ: 1055-1061
Plant Biotech. 22
ページ: 231-233
Plant Cell, Tissue and Organ Culture 82
ページ: 251-257
Sen'i Gakkaishi 61
Biosci.Biotech.Biochem. 68
ページ: 2627-2629
J.Insect Biotech.Sericology 73
ページ: 15-22
Biotechnol Bioeng. 30
ページ: 849-853
繊維研究所研究報告 8
ページ: 1-6
Bull.Kinugasa Text.Res.Inst. 8
Gene 320
ページ: 67-79
Protoplasma (in press)