研究課題
二型精子の分化を追及するために、精子形成細胞のシスト培養実験系において二型の精子形成を再現することが1つの目標である。有核精子の形成には成功しているが、無核精子形成に必要な条件がまだ見つかっていない。無核精子への分化に必要な条件探しは、有核精子形成ラインから無核精子形成ラインへの切り換えを見出すことと不可分である。精子形成ラインの切り換えが、個体発生過程のいつ、精子形成過程のどの段階で、起こっているかを明確にした。1.アピカル細胞とその周辺生殖細胞の個体発生に伴う変化生殖幹細胞を維持する場であるニッチを構成するアピカル細胞は、微小管に富む大型の細胞として識別できた。アピカル細胞は胚期に盲端側の精巣壁に接して出現し、アピカル細胞に接した生殖幹細胞の分裂により、孵化後の幼虫から羽化後の成虫まで精原細胞の生産が継続して行われていた。アピカル細胞は、3〜4齢幼虫期に、精巣が成長するにつれて精巣壁から離れた。終齢幼虫期にはアピカル細胞周辺の空間が広がり、アピカル細胞も大きくなった。有核精子は終齢幼虫期までに減数分裂を行った精母細胞から生じ、無核精子は吐糸期以降から減数分裂を行う精母細胞から生じ、より短期間に、しかも多数がつくられる。精原細胞の形態に二型性は見られなかったが、ニッチを拡大する現象は、多数の無核精子を形成するのに対応したものと考える。2.減数分裂の染色体行動に現れる二型性有核型精母細胞の通常の減数分裂に対して、無核型精母細胞は、染色体分離運動の異常によって特徴付けられる。減数分裂前期まで遡って染色体の行動を探ると、有核型では見られる染色体のブーケの形成や対合が行われておらず、二価染色体ではなく一価染色体のまま中期に入っていた。極へ向かう染色体運動に同調性はなく、染色体橋の形成が見られるような異常は、減数分裂でありながら一価染色体であることが原因となっていると考える。
すべて 2005
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