研究課題
基盤研究(B)
Rubiscoのターンオーバーの分子的基盤として葉の発達・衰退過程におけるRubiscoタンパク質の生成量と分解量の変動とrbcS及びrbcL mRNAsの変動の関係について調べた。Rubiscoの生成は葉の展開過程が最も盛んで展開終了時までに一生における生成の大部分を終え、老化課程での生成量は少なかった。またrbcS及びrbcL mRNAsは、ほぼ生成量に見合って変動していた。一方、培地の窒素栄養レベルは、Rubisco生成量、mRNAs量に反映され、窒素レベルが高いほど生成量、mRNAs量も多くなった。老化過程でも高い窒素栄養レベルで栽培するとRubiscoの生成が見られ、rbcS及びrbcL mRNAs量も増加していたが単位mRNA量当たりのRubisco生成量は老化の進行とともに減少した。いずれの状況下においても、Rubiscoの生成量は葉への窒素分配量とパラレルな関係にあり、転写のみならず翻訳レベルでの制御がインタクト葉では重要なRubisco量の調節因子として働いていることが明らかとなった。さらに、rbcSをコードする遺伝子は5種存在することからそれらの窒素応答、組織、器官特異的発現について調べたところ、これら遺伝子問で差異があることが明らかとなった。Rubiscoの分解機構については、先に我々により見出された光照射下の単離葉緑体及びその破砕液におけるヒドロキシルラジカルを介したRubiscoの直接的な断片化が、インタクトなキュウリ葉においても実際に起こりうることが証明された。また葉には葉緑体以外にRubiscoを含む新規の小顆粒が存在することを我々が初めて見出し、Rubisco-containing body(RCB)との名称を与え、その生理学的な意義を探った。その結果、この顆粒の数は老化初期に特異的に多くなることが明らかとなった。RCBはRubiscoをはじめとする葉緑体のストローマ画分を含んでおりチラコイド画分は含んでいなかった。そして葉の老化過程やストレス下でのストローマ画分タンパク質のバルクの分解に関わっている可能性が示唆された。すなわち、葉緑体のストローマ画分を含む突出組織(ストロミュール?)の形成、隔離膜によるRCBの形成、オートファジー(様)機構を介したRCBの液胞への輸送、液胞でのRCBの分解との仮説を提唱した。
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