研究課題/領域番号 |
15380047
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
米山 忠克 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70124360)
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研究分担者 |
安藤 象太郎 (独)農薬・生物系特定産業技術研究機構, 畜産草地研究所・草地生産部, 研究室長 (00370578)
藤原 徹 東京大学, 生物生産工学センター, 助教授 (80242163)
林 浩昭 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60180973)
大脇 良成 (独)農薬・生物系特定産業技術研究機構, 中央農業総合研究センター, 主任研究官 (60355542)
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キーワード | 生物的窒素固定 / エンドファイト / サトウキビ / サツマイモ / パイナップル / 窒素固定菌 / nifH / PCR |
研究概要 |
これまでδ^<15>N法によって畑で栽培されたサトウキビ、サツマイモ、パイナップルが生物的窒素固定を行なっており、その量は植物Nの10〜40%となることを世界ではじめて示した。本研究はdinitrogenase reductaseをコードするnifH遺伝子をPCR法によって増幅し、既知の塩基配列との相同性を検索した。サトウキビは宮古島、種子島から送付を受け、茎のDNAからBradyhizobium elkanii, B.japonicum, Klebsiella pneumoniae, Serratia marcescensと高い相同性を示すクローンを検出した。そして既知のnifH配列のいずれとも低い相同性をもつ新規の菌由来と考えられるクローンも得た。しかしサトウキビから培養法で得られているエンドファイトGluconacetobacter diazotrophicusのnifHは検出されなかった。 圃場において栽培したサツマイモの葉、葉柄、茎および塊根からDNAを抽出し、nifH遺伝子を標的としたnested PCRを行った。葉柄、茎および塊根から抽出したDNAでは、10〜100ngの範囲のテンプレートDNAからnifH遺伝子の断片を増幅することができた。一方、葉から抽出したDNAからは、nifH遺伝子を増幅することはできなかった。増幅したDNA断片をクローニングし塩基配列の相同性を検索したところ、葉柄から抽出したDNAからはBradyrhizobium japonicumおよびPaenibacillus azotofixans、茎から抽出したDNAからはAnabaena variabilis、Herbaspirillum seropedicae、Anabaena 7120、Nostoc commune、unidentified marine eubacteriumと相同性の高いクローンが得られた。また、塊根から抽出したDNAからはBradyrhizobium japonicum、Rhizobium trifoliiと高い相同性を持つクローンが単離された。 パイナップル体内の窒素固定菌を検出するために、パイナップルから抽出したDNAを鋳型としてnifH遺伝子の部分配列をPCR増幅し、その塩基配列を決定し、系統解析を行った。タイのパイナップルから検出されたnifH遺伝子は、Bradyrhizobium属およびSerratia属のnifH遺伝子と、石垣島で採取したパイナップルから検出されたnifH遺伝子は、Bradyrhizobium属およびKlebsiella属のnifH遺伝子と相同性を示した。
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