研究課題
基盤研究(B)
本研究は、水田土壌各部位の微生物群集をDNAの塩基配列から解析し、水田土壌生態系各部位に生息する微生物群集構造を系統遺伝学的に明らかにすることを目的とするものであり、表面水、表面水中のミジンコ、表面酸化層土壌、土壌表面の稲ワラ、作土還元層土壌、浸透水、水稲根、作土中の稲ワラと稲ワラ堆肥、植物遺体、さらに堆肥化過程の稲ワラのそれぞれからDNAとRNAを抽出し、真正細菌、真核生物、メタン生成古細菌、メタン酸化菌、アンモニア酸化菌に特異的なプライマーを用いてPCR増幅後、PCR産物のDGGEバンドパターンから群集構造の季節変動を解析するとともに、特徴的なDGGEバンドの塩基配列を決定した。その結果、水田土壌各部位には季節変動を示すものの、それぞれ系統的に特徴的な微生物群集が生育し、水田土壌生態系の多様性を維持していることが、DGGEのバンドパターンから明らかとなった。また、特徴的なDGGEバンドのシークエンスから、各部位の微生物群集は特徴的な系統的に異なる微生物によって特徴付けられることが判明した。この特徴は、表面水と浸透水、稲ワラや堆肥と植物遺体、水稲根、ミジンコ、土壌の5つに大きく大別された。加えて、作土中のメタン生成古細菌群集、真正細菌群集のDGGEバンド数はDNAとRNAで一致し、年間を通していずれの細菌も活性を維持して存在すること、しかし、DNAとRNAのDGGEバンドパターンが異なることから、各微生物群集中の一部の群集が高い活性を有することが明らかとなった。なお、本研究で明らかとなった微生物群集の特徴は、リン脂質脂肪酸をバイオマーカーとした群集構造比較とよく対応したものであった。
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