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2004 年度 実績報告書

ホウ素の植物体内での易動性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 15380052
研究機関京都大学

研究代表者

間藤 徹  京都大学, 農学研究科, 助教授 (50157393)

キーワードホウ素 / ホウ素の体内移動 / ヒマワリ / マメ科植物 / ラムノガラクツロナンII / ペクチン質多糖
研究概要

ヒマワリ、ソラマメ、インゲンを用いてホウ素の体内での移動性をホウ素の安定同位体^<10>Bを用いて検討した。培養液のホウ素濃度0.03mg/Lとしてこれらの植物を第4葉展開まで栽培したのちホウ素を欠除した培養液に移した。ヒマワリでは移植後1週間程度で根の伸長が停止し褐色になった。地上部新薬の展開は10日目まで影響されなかったが第2葉に錆のようなスポットが出始め、2週間目には新葉の展開が停止した。このときの葉身ホウ素含有率は20ppmで、ほとんどすべてが細胞壁に結合したホウ素だった。^<10>Bを用いた検討から、ヒマワリ新葉へは第2葉、第3葉からホウ素が転流することが判明した。ダイズの場合には欠乏症状は4週間まで見られなかった。ソラマメの場合には2週間目で根の伸長が停止し褐色になったが地上部新葉の展開は2週間でも停止しなかった。また分げつもなかなか停止しなかった。ソラマメ新葉にホウ素欠乏症状が見られるようになったときのホウ素含有率を測定したところ、水溶性のホウ素はほとんど検出されず細胞壁に結合したホウ素含有率は3ppm程度であった。これらの結果はマメ科植物においてホウ素の供給が低下するとホウ素の結合部位であるRG-IIが減少することを示唆しており、マメ科植物のペクチンの組成についてさらに検討する必要がある。さらに、培養液からホウ素を欠除した個体でも脇芽が活発に展開しホウ素が体内で移動していることが示された。開花直前まで^<10>Bを与えて栽培したインゲンマメをホウ素欠除培養液に移して栽培を続け、莢のホウ素を定量した。莢の中には新葉と同じ組成で^<10>Bが検出され、開花以前に吸収されたホウ素が莢に転流していることが示された。一般にホウ素は植物体内であまり移動しないと報告されているがマメ科植物の場合には当てはまらないことが明らかになった。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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