研究課題
基盤研究(B)
研究期間内に(1)〜(8)の研究成果を得た。(1)大腸菌細胞表層の主要構成因子であるリポタンパク質の局在化に関与するLolAとLolBの立体構造を明らかにした。(2)リポタンパク質の+2位のアミノ酸残基がLol回避シグナルとして働くには厳密な側鎖の長さと負電荷が必要であり、ホスファチジルエタノールアミンもLol回避機構に関与していることを見いだした。(3)グラム陰性細菌のLolBホモログ間で保存されている5つのトリプトファン残基が受容体機能に重要であることを示した。(4)リポタンパク質がLolAからLolBへ一方向的に効率よく受け渡されるがエネルギーに依存しないメカニズムを明らかにした。(5)LolAの14アミノ酸残基における変異株の解析から、リポタンパク質の受け渡しにおける疎水的なくぼみと蓋の役割を明らかにした。(6)ATPaseであるLolDの変異株のうち、自身のATPase活性には影響しないがLolCDE複合体のATPase活性を低下させる変異株の解析から、LolDモチーフは膜サブユニットLolC/LolEとLolDの相互作用に重要であることがわかった。(7)Lolシステムを標的とする化学療法剤のスクリーニング系を開発して、LolAの機能を阻害する2つの候補物質を発見した。(8)in vitro解析系を用いて、YbiSが主要外膜タンパク質Lppとペプチドグリカンを共有結合させるトランスペプチダーゼであることを見いだした。以上の研究成果は、大腸菌の生育に必須の細胞表層蛋白質を標的とする化学療法剤の開発に貢献するものである。
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