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2004 年度 実績報告書

嫌気性細菌の細胞表層に存在する二次細胞壁の構造とSLHドメインとの相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 15380060
研究機関三重大学

研究代表者

粟冠 和郎  三重大学, 生物資源学部, 教授 (20154031)

研究分担者 木村 哲哉  三重大学, 生物資源学部, 助教授 (00281080)
キーワード二次細胞壁 / ペプチドグリカン / SLHドメイン / Clostridium josui / Clostridium stercorarium / Clostridium thermocellum
研究概要

1.Clostridium josui、Clostridium stercorarium及びClostridium thermocellumより、トータル細胞壁画分を調製し、フッ化水素酸(HF)処理することにより、二次細胞壁画分とペプチドグリカン画分を得た。
2.二次細胞壁を酸加水分解し、HPLCにより糖組成を分析したところ、予備的な結果ではあるがN-アセチルグルコサミンとN-アセチルマンノサミンが検出され、これまでに報告されている二次細胞壁と類似の構造を持つことが予想された。
3.C.josuiのキシラナーゼXyn10A、C.stercorariumのキシラナーゼXyn10B及びC.thermocellumの細胞表層タンパク質SdbA由来のSLHドメインタンパク質を大腸菌で大量発現させ、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で単一バンドにまで精製した。
4.3種のClostridium属細菌から調製した細胞壁画分とSLHドメインタンパク質との結合を定性的な方法で検討した。その結果、いずれのSLHドメインタンパク質も起源の同じトータル細胞壁画分ばかりでなく、起源の異なるトータル細胞壁画分に結合したことから、これらのSLHドメインタンパク質は、3種のClostridium属細菌に共通に存在する部位に結合すると推定された。一方、これらのSLHドメインタンパク質のペプチドグリカンへの結合性を測定したところ、C.josui及びC.stercorarium由来のタンパク質では、ペプチドグリカンへの結合は全く見られなかったことから、予想通り二次細胞壁へ結合することが確認された。しかし、C.thermocellum SdbA由来のSLHドメインタンパク質はいずれの細菌のペプチドグリカンにも結合することが観察されたことから、SdbA由来のSLHドメインタンパク質は他の2つのSLHドメインタンパク質と相同性はあるものの、結合特性は全く異なると考えられた。
5.二次細胞壁を持たない大腸菌から調製したペプチドグリカン画分にSdbA由来のSLHドメインタンパク質が結合したことから、このタンパク質はペプチドグリカンに結合することが確認された。SLHドメインは、二次細胞壁に結合すると考えられており、ペプチドグリカンに結合するSLHドメインの発見は画期的なものである。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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