研究課題
本研究では、放線菌二次代謝制御カスケードの模範例とみなせるγ-ブチロラクトン型信号物質(autoregulator)とそのレセプタータンパク質を介した制御系について、各々タイプが異なるautoregulator支配下にある3種の放線菌[Streptomyces virginiae, Streptomyces lavendulae、および放線菌の遺伝学的基準菌Streptomyces coelicolor A3(2)]などを対象とし、特異的レセプタータンパク質へのautoregulator結合にはじまり、最終的には抗生物質生合成遺伝子クラスターの転写誘導にいたる多段階の情報伝達経路に関して、各段階を司る制御因子の単離、制御機構の確定、情報伝達全経路の把握を経て、3菌株間での制御カスケードの比較・解析に基づき、一般放線菌に適用可能な普遍的二次代謝制御モデルを確立し、二次代謝遺伝子群の人為的活性化法を見いだす事を目的とする。本年は、Streptomyces coelicolor A3(2)のレセプター依存制御経路に属する制御因子ScbRとその制御下にある生合成遺伝子群ついて解析を行った。S.coelicolor A3(2)の全ゲノム配列に基づいて作成したDNAマイクロアレイを用いて、autoregulator SCB1の存在下と不在下での遺伝子発現プロファイルを比較検討した結果、autoregulator SCB1とその特異的リセプターScbRの直接的な支配下にある二次代謝産物生合成遺伝子クラスターの同定に成功した。その転写制御系に関する詳細な解析を行った。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (5件)
Mol.Microbiol. (In press)
Arch.Microbiol. (In press)
J.Bacteriol. 186
ページ: 3423-3430
Arch.Microbiol. 184
ページ: 294-298
Arch.Microbiol. 181
ページ: 52-59