研究概要 |
1)Saccharomyces cerevisiae JCM 7255及びEscherichia cili K12を液体培地に懸濁(約10^4cfl/ml)し、30〜50℃、CO2圧力2-6MPaの条件下で加圧カーボネーション処理した。この結果、全ての条件下で数分から数十分後には、いったん生菌は認められなくなったが、50℃6MPaを除いて数時間後には増殖が認められた。すなわち、カーボネーションに対する順化が認められた。 2)カーボネーション耐性を獲得した細胞を通常培地により増殖した細胞はこのカーボネーション耐性を喪失することを明らかにした。 3)α-amylase (from Bacillus sp.),β-amylase (from Barey), glucoamylase (from Rhizopus sp.), Protease (from Aspergillus niger)の酵素反応を、30〜60℃、CO2圧力2-6MPaで追跡し、酵素活性に及ぼす各種パラメーターの影響を明らかにした。特に、加圧カーボネーション中のpHを最適に調製することにより酵素反応を促進させることが重要であった。 以上の結果は、加圧カーボネーション下では無菌環境下で酵素反応を効率的に行うことが可能なことを示唆した。 4)加圧カーボネーション法を、清酒の腐敗を引き起こすL.fructivorans(日落菌)の非加熱殺菌に適用した。その結果、L.fructivorans(106cfu/ml)は、20MPa,35℃で5.4min、40℃では1.7min以内の滞留時間で不検出となった。D値は30℃で4.3min,35℃で0.6minであった。Z値は加圧カーボネーション処理と熱処理で同等であった。以上の結果、加圧カーボネーション処理によると加熱処理に比べて殺菌に必要な温度を約20℃低下しうることが明らかとなった。 5)実用的見地から、清酒中の各種酵素の加圧カーボネーション処理による失活挙動を速度論的に解析した。
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