amf遺伝子クラスター(amfTSBAおよびamfRによるStreptomyces griseusの分化開始の分子制御メカニズムを解明する目的で、今回は特にamfTの発現と役割および活性型AmfSの構造に焦点を当てた研究を行った。amfTの前に位置し、amfTSBAを転写する主要プロモーターについて、S1マッピングによる転写解析とゲルシフトアッセイによる蛋白質の結合解析を行い、そこにAmfRが転写促進因子として結合すること、ならびにそれと独立して、Streptomycesの分化の開始に対する抑制型制御因子として知られるBldD蛋白が-35領域付近に結合し転写を抑制することをin vitroおよびin vivoの実験によって明らかにした。bldDについてはS.griseusの相同遺伝子をクローン化、塩基配列を決定し、周辺領域を含めS.coelicolor A3(2)のそれと高い相同性を示すことを明らかにした。さらに、amfT破壊株を作成し、それが形態分化および二次代謝を欠損した形質を示すこと、ならびに活性型AmfSの生産性を失うことを明らかにし、AmfT蛋白が活性型AmfSの生産に必須であることを予想した。また、amfS破壊株に分化を回復させるペプチドをS.griseus野生株培養液の菌体外画分よりエタノール沈殿と逆相クロマトグラフィーによって単離精製し、それがAmfS推定配列のC-末端側22アミノ酸領域に由来することを明らかにした。
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