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2003 年度 実績報告書

哺乳動物精巣特異的ポリ(A)ポリメラーゼTPAPによる精子形態形成制御の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 15380068
研究種目

基盤研究(B)

研究機関筑波大学

研究代表者

柏原 真一  筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (00254318)

キーワード精子形成 / TPAP / トランスジェニックマウス / 細胞質ポリアデニル化反応 / タンパク質輸送 / モータータンパク質 / KIF2A
研究概要

哺乳動物精巣特異的ポリ(A)ポリメラーゼTPAPは,特定mRNAの球状精細胞特異的なポリ(A)鎖伸長に関与している。その欠損マウスでは,精子核や鞭毛などの形態形成にかかわる遺伝子の転写量が著しく低下しており,結果として精子形成が球状精細胞の段階で停止していた。今年度は,TPAP欠損による精子形成不全の分子基盤と特定mRNAのポリ(A)鎖伸長機構について検討した。
(1)精巣におけるTAF10の核移行機構の解析…TPAP欠損マウス精巣では,基本転写因子TAF10の核移行が減少していたことから,TAF10は転写活性化因子CREMの支配下にある半数体特異的遺伝子の転写に関与していることが示唆された。そこで,抗TAF10抗体を用いた免疫沈降を行なった結果,モータータンパク質KIF2AのモータードメインのC末端38アミノ酸残基を欠損する分子種(KIF2Asと命名)などいくつかのタンパク質が免疫共沈降された。TPAP欠損マウス精巣ではKIF2As mRNAレベルは野生型と同じであるがポリ(A)鎖が短くなっていること,またタンパク質量が減少していることが明らかとなった。現在,KIF2As mRNAの球状精細胞でのポリ(A)鎖伸長不全と翻訳効率の関連について検討している。
(2)TPAPによるmRNAポリ(A)鎖伸長機構の解析…TPAPはパキテン期精母細胞から存在するが,特定mRNAに対するポリ(A)鎖伸長は球状精細胞特異的である。そのmRNA特異性や時期特異性を決定する機構について検討した。抗TPAP抗体により,精巣特異的熱ショックタンパク質Hsp70-2が免疫共沈降した。現在,TPAPに対するその機能について検討中である。一方で,標的mRNAの1つであるTFIIAγの3'-UTRを用いたEMSA法とUVクロスリンク法により,精巣特異的な70kDaの結合タンパク質の存在を確認した。現在,結合領域の限定を行っており,その配列を用いて結合タンパク質の同定を行う予定である。また,TPAP過剰発現マウス精巣でもmRNAポリ(A)鎖は野生型と同じ長さまでしか伸長されないことから,mRNA特異性およびポリ(A)鎖をそれぞれのmRNA固有の長さで停止させる機構が存在することがより明確になった。さらに,核や卵成熟過程の細胞質でのポリ(A)鎖付加に関与するCPSF160が,他の組織と比べて精巣の細胞質に著量に存在し,TPAPと相互作用することを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Zhuang, T., Kashiwabara, S., Noguchi, J., Baba, T.: "Transgenic expression of testis-specific poly(A) polymerase TPAP in wild-type and TPAP-deficient mice"Journal of Reproduction and Development. (in press). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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