研究課題/領域番号 |
15380072
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
小田 耕平 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (50081584)
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研究分担者 |
尾山 廣 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (50221700)
平賀 和三 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (50252549)
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キーワード | 致死性遺伝病 / セリン-カルボキシルプロテアーゼ / CLN2 / 新プロテアーゼファミリー / セドリシン |
研究概要 |
本研究の目的は、申請者が発見した新規プロテアーゼファミリー、セドリシンの内、致死性遺伝病、バッテン病の発症に関与するヒト脳のリソソーム酵素CLN2に焦点を絞って、生化学的、及び、構造生物学的な検討を加えることである。本研究で得られる成果は、バッテン病の発症メカニズムの解明に役立つと共に、治療薬開発に貢献するものと考えられる。以下に、本年度の研究実績を示した。 (1)Glu77残基の機能解析 CLN2の一次構造上には、Ser-Glu-Aspのcatalytic triadが保存されている。この内、general baseと推定されたGlu77残基のAla改変体は、酵素活性が野生型酵素の1/10^4と著しく低下した。以上のとおり、Glu77が触媒残基であることを世界に先駆けて実証した。 (2)Ser280残基の機能解析 Kumamolisin用に開発した阻害剤Iso-Val-Ile-Ala-Phe-CHOは、1mMでCLN2の酵素活性をほぼ完全に阻害した。Kumamolisinでは、阻害剤の末端アルデヒド基が触媒残基Ser278の水酸基とヘミアセタール結合し、活性を阻害することが報告されている。CLN2のSer280残基のAla改変体の解析結果と合わせて、Ser280が触媒残基であることを生化学的に実証した。 (3)CLN2の立体構造解析 野生型のCLN2(成熟型)をカイコ-バキュロウイルス系で多量生産し、精製酵素を得た。現在、共同研究者であるWlodawer教授(米国・国立ガン研究所・副所長)のもとで、合成阻害剤との複合体を調製し、結晶化を試みている。
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