研究課題/領域番号 |
15380079
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
米山 弘一 宇都宮大学, 野生植物科学研究センター, 教授 (00114174)
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研究分担者 |
竹内 安智 宇都宮大学, 野生植物科学研究センター, 教授 (90008003)
夏秋 知英 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10134264)
関本 均 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10261819)
横田 孝雄 帝京大学, 理工学部, 教授 (40011986)
桑原 重文 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30170145)
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キーワード | 根寄生雑草 / 発芽刺激物質 / ストリゴラクトン / LC / MS / 宿主認識メカニズム / カロテノイド生合成 / P450モノオキシゲナーゼ / ABCトランスポーター |
研究概要 |
根寄生雑草オロバンキ(Orobanche)の宿主であるタバコの生産する発芽刺激物質の内、オロバンコールの異性体を精製し、各種機器分析によって(+)-2'-エピオロバンコールと同定した。これは、2'-エピ体が天然物として単離された初めての例である。また、イネ科植物の主要な発芽刺激物質は、アーバスキュラー菌根菌(AM菌)の菌糸分岐誘導物質として単離構造決定されたデオキシストリゴールであり、一方、双子葉植物の主要な発芽刺激物質はオロバンコールであることも明らかとなった。なお、AM菌と共生しないアブラナ科およびアカザ科の植物やアカマツなどの樹木もストリゴラクトンを分泌していることから、AM菌の宿主認識にはヌトリゴラクトン以外の要因も関与していること、さらに、ストリゴラクトンが全く異なった未知の役割を担っている可能性も示唆された。 シロイヌナズナのDNAチップを用いて、ストリゴラクトン処理によって発現量が変動する遺伝子の網羅的解析を行った。その結果、ストリゴラクトン生合成および分泌に関与する可能性の高い遺伝子として、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ遺伝子2種類と1種類のABCトランスポーター遺伝子を同定した。これらの遺伝子のノックアウト株についてストリゴラクトン分泌を発芽刺激活性試験によって調べた結果、1種類のP450遺伝子ノックアウト株で、発芽誘導活性が有意に低下した。今後これらのノックアウト株のストリゴラクトン分泌量を化学的に調べる予定である。 その他、アカクローバーでは、カロテノイド生合成阻害剤であるフルリドン処理によって、オロバンコール分泌量が顕著に低下し、ストリゴラクトンがカロテノイドを経て生合成されるという仮説を支持する結果が得られた。
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