研究課題
本研究は、高等植物において病原菌感染シグナルの伝達物質としてエリシターの下流で機能するジャスモン酸(JA)のシグナル伝達機構を解明することを究極的な目的とする。(1)我々がイネからが単離したOsOPR1(JA生合成酵素の一つである12-オキソフィトジエン酸還元酵素をコードしている)の同族体がイネゲノムに10種以上存在することを示し、そのうちのOsOPR8のみがペルオキシソームに局在し、JA生合成に関与している可能性を示した。(2)我々が機能解析を行った、オリザレキシンSの生合成に関与するstemar-13-ene合成酵素遺伝子OsDTC2のプロモーター解析を行い、翻訳開始点上流1458-1634bpの領域に6個のTTGAC(T/C)モチーフ(W-box)が存在し、これらがエリシター応答性のシスエレメントとして機能していることを明らかにした。これにより、これらのエレメントに結合すると考えられるWRKYファミリーの転写因子がOsDTC2の転写制御に関与していることが強く示唆された。(3)イネ培養細胞から早期エリシター応答性のWRKY型転写因子遺伝子OsWRKY53、OsWRKY71を単離し、過剰発現形質転換体を用いたマイクロアレイ解析等により、それらが病害抵抗性発現に重要な機能を果たしている可能性を示した。また、我々が機能解析を進めていたJA/エリシター応答性bHLH転写因子遺伝子RERJ1についても、当該遺伝子が病害抵抗性だけでなく、傷害、乾燥を始めとする様々なストレスに対する防御応答に関与している可能性を示した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (4件)
Bioscience, Biotechnology, ans Biochemistry 69(印刷中)
FEBS Letters 571
ページ: 182-186
Bioscience, Biotechnology, ans Biochemistry 68・7
ページ: 1461-1466
Biochemical and Biophysical Research Communications 325
ページ: 857-863