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2003 年度 実績報告書

線虫の寿命に関わる呼吸鎖酵素の反応機構解明を志向した機能性分子プローブの合成開発

研究課題

研究課題/領域番号 15380083
研究機関京都大学

研究代表者

三芳 秀人  京都大学, 農学研究科, 助教授 (20190829)

研究分担者 北 潔  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90134444)
キーワードアセトゲニン / ミトコンドリア / 呼吸鎖酵素 / 構造活性相関
研究概要

ミトコンドリア複合体-Iの機能解明を目指して、同酵素の最強の阻害剤であるアセトゲニンの作用機構研究を開始した。アセトゲニンの活性発現に要求される重要な構造因子を同定することは作用機構研究に不可欠であるため、広範なアセトゲニン類を効率的に有機合成するための合成方法を確立した。合成した類縁体について線虫酵素のモデルとなるウシ心筋ミトコンドリア複合体-Iを用いて阻害活性を評価し、次のような点を明らかにした。
1)天然型γ-ラクトン環の存在、THF環の数および隣接する水酸基を含むこの部分の立体化学は重要ではない。
2)疎水性の高い側鎖の存在は必須ではない。
3)THF環部に隣接する二つの水酸基の機能は同等であり、いずれか一つあれば充分に活性が発揮される。
4)唯一重要な構造要因は、γ-ラクトン環とTHF環部は直接的にアルキルスペーサーと連結されていないと全く活性を発現しない。その際、スペーサーの最適な長さは、炭素13個である。
以上のことから、スペーサーによって規定されるγ-ラクトン環とTHF環のある特定の配置がアセトゲニンの活性発現に重要であることが明らかになった。γ-ラクトン環とTHF環は協調的に機能することにより、活性コンフォメーションを取っていることが示唆された。
次に、アセトゲニンの結合部位を同定するために、光親和性標識実験を開始した。γ-ラクトン環は、キノン環でも代替できることがわかったため、この部分に光分解性のアジドキノンを導入することとした。また、アルキル側鎖部分は大幅な構造修飾が可能であることがわかったため、この部分に蛍光検出を可能とするビオチンあるいは蛍光発色団を導入することとした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 山下哲夫: "Rhodoquinone reaction site of mitochondrial complex I in parasitic helminth, Ascaris sum"Biochim.Biophys.Acta. 1608. 97-103 (2004)

  • [文献書誌] 真壁秀文: "Synthesis of two possible diastereomers of reticulatiain-1"Tetrahedron Lett.. 45. 973-977 (2004)

  • [文献書誌] M.D.Elias: "Occurrence of a bound ubiquinone and its function in Escherichia coli membrane-bound quinoprotein glucose dehydrogenase"J.Biol.Chem.. 279. 3078-3083 (2004)

  • [文献書誌] 安部真人: "Essential structural features of acetogenins : role of hydroxy groups adjacent to the bis-THF ring"Bioorg.Med.Chem.Lett.. 14. 779-782 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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