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2005 年度 実績報告書

胃・腸特異的カルパインの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15380089
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

反町 洋之  (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (10211327)

キーワードカルパイン / 酵素 / タンパク質 / プロテオリシス / 遺伝子改変マウス / 胃腸 / メンブレン・トラフィック / COPI
研究概要

カルパインは細胞質内に存在し、Ca^<2+>により活性を制御されるプロテアーゼである。細胞質内のタンパク質に直接作用し、その活性・構造を変換・制御するモジュレータ・プロテアーゼである。哺乳類細胞では14種類の遺伝子が存在し、約半数は、組織特異的に発現する。これらは、発現組織の機能との密接な関係が予想されるため、その生理機能に大きな興味が持たれている。我々が発見したnCL-2/-2'は、胃や腸に発現が限定されるのみならず、胃の上皮層ピット細胞に極めて限定的に局在し、細胞移動や粘液分泌に重大な機能を果たすことが強く示唆された。胃や腸は食品の消毒、免疫、消化という非常に重要な機能を果たす故に、胃酸や粘液の分泌など極めて特殊化した機能を有する。これらの事実を合わせると、この胃・腸特異的カルパインの生理機能の解明は胃・腸の機能の新しい理解にもつながると考えられる。そこで本研究は、遺伝子改変マウスを用いて、胃・腸特異的カルパインの生理機能を解析した。消化管特異的カルパインnCL-2/-2'は、未だにヒト疾患との関連性は見出されていない。しかしながら、骨格筋特異的カルパインp94の欠損が筋ジストロフィーを発症することを考えると、nCL-2の欠損が胃腸の機能を不完全なものとすることは必須と考えられる。そこで、まず疾患という生物現象と関連づけるために、遺伝子改変マウスを用いた詳細な解析を行なった。次に、その分子機構の解析を行い、胃腸の機能にどのように関わっているかを解析した。nCL-2/-2'のC105Sノックインマウスは、共同研究によりホモマウスの作出を完了した。このマウスは、平常状態においては、一見、全く正常のマウスと変わらない。そのため、様々なストレスをかけた結果、ストレス性の胃出血がやや高い傾向であることが判明した。よって、nCL-2は胃・腸の防御機能に密接に関与することが強く示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Stomach-specific calpain, nCL-2, localizes in mucus cells and proteolyzes the β-subunit of coatomer complex, β-COP.2006

    • 著者名/発表者名
      Hata, S.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. in press(未定)

  • [雑誌論文] Possible functions of p94 in connectin-mediated signaling pathways in skeletal muscle cells.2006

    • 著者名/発表者名
      Ojima, K.
    • 雑誌名

      J.Muscle Res.Cell Motil. in press(未定)

  • [雑誌論文] Constitutive activation of the pH-responsive Rim101 pathway in yeast mutants defective in late steps of the MVB/ESCRT pathway.2005

    • 著者名/発表者名
      Hayashi, M.
    • 雑誌名

      Mol.Cell.Biol. 25

      ページ: 9478-9490

  • [雑誌論文] Inhibitory NK receptor Ly49Q is expressed on subsets of dendritic cells in a cellular maturation-and cytokine stimulation-dependent manner.2005

    • 著者名/発表者名
      Toyama-Sorimachi, N.
    • 雑誌名

      J.Immun. 174

      ページ: 4621-4629

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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