研究概要 |
種子貯蔵タンパク質の構造・加工特性相関を分子レベルで解明するために、ダイズに加えて、エンドウ、ソラマメ、アズキ、インゲンマメ、マングビーン、カボチャの貯蔵タンパク質の構造と加工特性の解析を進めた。 (1)ダイズ11SのプロA1bB2,プロA2B1a,プロA5A4B3の結晶化と構造解析 ダイズ11Sの構成サブユニットのうち、立体構造が未解明のもの三種について、プロ型の結晶化を試みたところ、結晶は得られたが、質が良くなく、良質化を試みている。 (2)エンドウ、ソラマメ、アズキ、インゲンマメ、マングビーン、カボチャの貯蔵タンパク質のcDMクローニング、大腸菌発現系の構築と結晶化 エンドウ、ソラマメ、カボチャの7Sと11S、アズキ、インゲンマメ、マングビーンの7SのcDNAをRT-PCR法によりクローニングした。さらに、アズキとマングビーンに関して、pETを用いて大腸菌発現系を構築し、発現タンパク質の結晶化に成功した。マングビーン7Sの結晶は良質であったので構造解析を進めている。アズキ7Sの結晶は良質化につとめている。その他のものに関しては、大腸菌発現系の構築を進めている。一方、インゲンマメ7Sの大腸菌発現系の構築も試みたところpETでは成功しなかった。しかし、GSTとの融合タンパク質として発現させることによって成功した。融合タンパク質として発現させても3量体を形成していた。 (3)アズキおよびマングビーン7Sの組換え型の特性 アズキおよびマングビーン7Sの組換え型の特性(溶解性、熱安定性、表面疎水性など)を天然のものと比較した。アズキ7Sは糖タンパク質であるが、組換え型は糖鎖を持たないので、両者の特性の比較により糖鎖の役割が明らかになった。
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