研究課題
基盤研究(B)
穀類を除く多くの種子が、ダイズと同様に、7Sと11Sグロブリンを主要タンパク質として含有している。これらのアミノ酸配列の同一性は、35-80%ほどであるので、作物によっては、ダイズのものと異なる特性をもつものがある可能性が高い。そこで、種々の作物種子の7Sと11Sを精製し、それらの特性と立体構造を解析し、構造・加工特性相関の解明にアプローチした。1.各種作物種子タンパク質の特性:エンドウ、ソラマメ、アズキ、インゲンマメ、カボチャ、バンバラマメの7Sおよび/あるいは11Sを精製し、その特性を比較した。各種子の7S,11Sが特徴的な性質を示したが、中でも、インゲンマメ7Sの低イオン強度下における溶解性および乳化性が格段に優れていること、バンバラマメ11Sの熱安定性が極めて低いことを見い出した。2.各種作物種子タンパク質の組換え型と天然型の特性比較:アズキ、インゲンマメの7Sとエンドウ、カボチャの11SのcDNA大腸菌発現系を構築し、各組換え型を調製して特性を天然型のものと比較した。その結果、7Sの糖鎖は、低イオン強度化における溶解性を高めることを見い出した。また、エンドウ、カボチャのプロ11Sとも、成熟型になることによって大きく特性が変わることを確認した。3.各種作物種子タンパク質の結晶化と構造解析:大腸菌発現系を利用して調製したダイズプロ11SA2Bla,カボチャプロ11S、エンドウプロ11S、アズキ7Sの結晶化を試み、エンドウプロ11S以外について良質の結晶を得た。SPring-8でデータを収集して解析した結果、全てについて立体構造を決定することに成功した。4.分子レベルにおける構造・加工特性相関:溶解性と構造との相関として、分子表面における静電ポテンシャルの分布の仕方が大きく関わることを見い出した。その他の相関については検討中である。
すべて 2005 2004 2003
すべて 雑誌論文 (27件)
J. Agric. Food Chem. 53
ページ: 3650-3657
ページ: 3658-3665
ページ: 8736-8744
FFIジャーナル 210
ページ: 1039-1047
J.Agric.Food Chem. 53
Biotechnol. Lett. 26
ページ: 385-391
J. Agiric. Food Chem 52
ページ: 2552-2560
Biosci. Biotechnol. Biochem. 68
ページ: 1091-1096
J. Agric. Food Chem. 52
ページ: 5717-5723
ページ: 6810-6817
ページ: 8197-8201
Acta Crystallographica D60
ページ: 289-297
Biotechnol.Lett. 26
J.Agiric.Food Chem. 52
Biosci.Biotechnol.Bioc 68
J.Agric.Food Chem. 52
Acta Cryst. D60
Phytochemistry 64
ページ: 701-708
Proceeding of the National Academy of Sciences of the United States of America 100
ページ: 7395-7400
Journal of Agricultural and Food Chemistry 51
ページ: 4633-4639
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 100
J.Agric.Food Chem. 51