研究課題
基盤研究(B)
近年、高ストレス社会、超高齢化社会といわれ、脳機能を反映した精神障害や心の問題がクローズアップされている。一方、栄養学の分野では、食品成分(栄養条件)が如何に脳機能を活性化するかが注目され、「脳の栄養代謝」に関する研究が行われるようになっている。脳機能の発現において重要な役割を果たすのは約50種類の神経伝達物質であり、その幾つかは前駆物質(アミノ酸)や栄養条件の違いにより影響を受ける。これまで脳内神経伝達物質(セロトニン・カテコールアミン類・アセチルコリンなど)を各種栄養条件、食品成分、ストレス状態下、ある種の病態時で検討し、比較的容易に変動すること、またある種の行動にも影響のでることなどを明らかにしてきた。本研究では、心身ストレスに起因する情動(喜怒哀楽)の変化に対して、食品成分が如何に関与しているか、あるいは、心身ストレスの程度を知るためのバイオマーカーには何があるか、また、情動を制御するための機構の解析を行うことを目的として研究をした。すなわち、食餌による脳内物質代謝への影響だけでなく、食事と精神機能(気分)との関連を、実験動物とヒト(ボランティア)を対象として解析することを試みた。これらの研究は、心身ストレスによる障害を軽減のための基礎研究であり、「栄養と精神活動」との関連を明らかにするもので新規性に富むと思われる。食品成分の精神活動への関与が明確になれば、その研究成果は、様々な分野への利用が考えられ貢献度は高いと期待される。今日、精神疾患を生化学的に解明し、その治療効果が検討されている。例えば、鬱病の原因として神経の興奮伝達の不適切なことが考えられており、栄養学的な臨床治療効果も報告されている。現代は高ストレス社会ともいわれ、精神面へのストレス及び精神疾患の起こる可能性は避けられない。もし食品成分が精神疾患の治療に有効であるなら、治療薬として、また、症状が軽いものであれば薬ではなく予防食として、リラックスできる補助食品として摂取したり、食生活を改善したりすることで容易にストレス解消ができ、その面への応用開発の可能性は大である。以上の研究の遂行のため、栄養生化学・神経内分泌学的解析(静岡県立大学・横越)と心理学・精神医学的解析(静岡県立大学・新保)を融合して行った。
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