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2003 年度 実績報告書

アリルスルフィドによる細胞周期制御とその作用機序についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 15380097
研究種目

基盤研究(B)

研究機関日本大学

研究代表者

有賀 豊彦  日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50096757)

研究分担者 熊谷 日登美  日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (20225220)
関 泰一郎  日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (20187834)
キーワードallyl sulfide / cancer cell / apoptosis / histone deacetylase
研究概要

アリルスルフイドによる細胞周期の制御とその作用機序について、本年度は以下の検討を行った。
1)アリルスルフイドの化学合成と抗がん作用の検討
ガーリックやオニオンに含まれる各種スルフィド類を効率よく合成・精製する方法を確立して各種標品を調製した。これらの標品の抗がん作用について、ヒト大腸がん細胞を用いて検討した。その結果、diallyl trisulfideやdipropyl trisulfideなどのtrisulfide構造を持つ化合物のみが大腸がん細胞の増殖を顕著に抑制した。一方、monosulfideやdisulfideは増殖を抑制しなかった。Trisulfideは、細胞周期をG2/M期でアレストし、カスパーゼ-3活性とアポトーシスを誘導した。現在、アポトーシス誘導メカニズムについて分子レベルで詳細な検討を行っている。
2)血液腫瘍細胞の分化誘導作用の解明
Allyl sulfideの作用機構の解明を目的としてヒストンのアセチル化に着目し、DATS, diallyl disulfide(DADS)、diallyl monosulfide(DAS)がall-trans retinoic acid(ATRA)による血液腫瘍細胞(HL-60)の分化誘導促進効果について検討した。DATSとATRAを同時に処理した細胞では、多くの成熟顆粒球が観察され、ATRA存在下でDATSは顕著に分化を誘導した。また、DATS処理後、H3およびH4ヒストンのアセチル化が観察された。DATSによるHL-60の分化誘導はヒストンアセチル化と相関し、DATSによるヒストンデアセチラーゼ活性の阻害が示唆された。DATSはヒストンデアセチラーゼ活性の阻害を介してATRAとは異なる機序で血液腫瘍細胞の分化を誘導することが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Fukao, T., et al.: "the effects of allyl sulfides on the induction of phase II detoxification enzymes and liver injury by carbon tetrachloride"Food and Chemical Toxicology. 42・5. 743-749 (2004)

  • [文献書誌] 関 泰一郎 他: "食用植物由来含硫化合物の抗がん作用メカニズムとがんの予防"日本農芸化学会誌. 77・11. 1113-1115 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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