研究課題/領域番号 |
15380099
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
清和 研二 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40261474)
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研究分担者 |
正木 隆 独立行政法人森林総合研究所, 育林技術研究グループ, 主任研究官 (60353851)
菊沢 喜八郎 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50271599)
陶山 佳久 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60282315)
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キーワード | 広葉樹天然林 / Janzen-Connell仮説 / 種子散布 / マイクロサテライト / 親子鑑定 |
研究概要 |
1.広葉樹天然林に新たに大面積試験地(一桧山6ha)を設定し種多様性維持機構の解明を行った。Janzen-Connell仮説の検証を行うため、主要構成種(ミズナラ、ブナ、クリ、トチ、ウワミズザクラなど10種)における大個体(親)と小個体(子)の分布相関をL関数を用いて解析した。種子散布時には親の周辺で集中分布していたはずの子個体が5cm程度の稚樹段階では親とは独立した分布を示していた。これは更新の初期過程で個体の空間分布が大きく変化することを示しており、温帯林でもJ-Cメカニズムが働いている可能性が否定できない。 2.種子トラップ120個を設定し主要構成種10種における種子・実生の死亡の密度依存性・母樹からの距離依存性の解析、ならびに死亡要因の特定と種特異性について検討した。ウワミズザクラ角斑病によるウワミズザクラ実生の死亡が見られ、種特異的な病原菌による死亡が明らかになった。現在、個体特異性があるかを分子マーカーで識別中である。 3.ブナの優占する自然度の高い天然林(栗駒山)に150x150mの試験地を設定し、ブナの繁殖個体すべて(数百個体)を個体識別し、葉からDNAを抽出し、遺伝構造を調べた。さらに遺伝子流動の実態を解明するため試験地の中央部に90x90mのコアプロットを設け、そこから実生10000個を層別抽出しマーキングした後、実生を生かしたまま果皮から組織を採取し、親子鑑定を行った。母樹別の生存実生数(母樹ごとのフィットネス)を推定した。個体により、大きな違いが在ることが明らかになった。
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