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2004 年度 実績報告書

分子マーカーを用いたブナ天然林の生物多様性の成立メカニズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15380099
研究機関東北大学

研究代表者

清和 研二  東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40261474)

研究分担者 陶山 佳久  東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60282315)
菊沢 喜八郎  京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50271599)
正木 隆  農林水産省, 農林水産技術会議事務局, 研究調査官 (60353851)
キーワード種多様性 / 遺伝的多様性 / ブナ / 断片化 / 保残帯 / 拡大造林 / スギ造林 / 実生
研究概要

1.ブナ林における人為的撹乱が遺伝的多様性に及ぼす影響
戦後ブナ天然林の大規模な伐採時に、細い帯状の林分として残されたブナ保残帯では、花粉流動・種子散布の範囲が制限され、次世代の遺伝的多様性が喪失し更新がうまく行われていない可能性が危惧される。そこで、宮城県栗駒山南部に広がるブナ天然林においてブナ保残帯(幅50m)とブナ天然林に計4つの調査区を設定し、そこに分布している成木と当年、1年、3年、8年生実生の全5コホートの遺伝的多様性を解析した。
保残帯区と対照区間で遺伝子多様度(He)、Allelic Richness (Rs)を比較したところ有意な差は検出されなかった。また、近交係数(FIS)はどの調査区及びコホートにおいても0から有意に異なっていなかった。つまり、本研究で対象とした保残帯区においては、対照区と同程度の次世代の遺伝的多様性が保たれていることが明らかとなった。しかし、保残帯区における当年及び1年生実生の個体数は、対照区の1割にも満たなかったことから、実生段階での遺伝的多様性は保残帯区と対照区で差がなかったものの、実生以前の結実率や種子生産数、または実生段階における生存率において分断化された影響があるのではないかと考えられた。
2.ブナ林における人為的撹乱が種多様性に及ぼす影響
ブナ天然林を伐採後、植林したスギ人工林において、広葉樹の種多様性回復状況を調べた。多雪地帯であり,雪折れなどによるギャップ形成後、広葉樹の侵入が見られた.特にキハダ、ミズキ、サワグルミなどの遷移初期タイプの広葉樹の侵入が顕著に見られ、全体の胸高断面積合計の29%二達した。また、生長量は侵入した広葉樹の方がスギよりも高かった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Host-specific pathogen attack and spatial patterns of mortality and growth of seedlings and saplings in a temperate tree, Prunus grayana.2004

    • 著者名/発表者名
      Seiwa, K., Y.Miwa, N.Sahashi
    • 雑誌名

      Abstract of an International Meeting on Seeds and the Environment, Seed Ecology

      ページ: 175

  • [雑誌論文] Sexual vs.vegetative reproduction in relation to forest dynamics in the understorey shrub, Hydrangea paniculata (Saxifragaceae).2004

    • 著者名/発表者名
      Kanno, H., K.Seiwa
    • 雑誌名

      Plant Ecology 170

      ページ: 43-53

  • [雑誌論文] 冷温帯落葉広葉樹林における地形と樹木種の分布パターンとの関係2004

    • 著者名/発表者名
      寺原幹生, 山崎実希, 加納研一, 陶山佳久, 清和研二
    • 雑誌名

      複合生態フィールド教育研究センター報告 20

      ページ: 23-28

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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