研究課題/領域番号 |
15380102
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山田 容三 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00166745)
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研究分担者 |
近藤 稔 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (80153732)
大浦 由美 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (80252279)
山本 進一 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60191409)
宮崎 良文 独立行政法人森林総合研究所, 森林化学研究領域, 室長 (40126256)
石川 知明 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30303754)
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キーワード | サウンドスケープ / 森林の音 / 音響特性 / 葉のざわめき音 / 脳波 / 心拍RR間隔変動 / 航空写真 / 樹種判定 |
研究概要 |
樹種構成の違いによるサウンドスケープの特性解明を行うため、針葉樹天然林として岐阜森林管理署胡桃島国有林と木曽森林管理署赤沢自然休養林、里山の広葉樹二次林として瀬戸市定光寺野外活動センター、針葉樹人工林として三重大学附帯演習林、広葉樹天然林として愛知県稲武町面の木ブナ林を対象地として設定した。なお、針広混交林については現在候補地を選考中である。 これらの対象地の内4つについて航空写真による上層木の樹種判定を進めており、胡桃島国有林と三重大学付属演習林については上層木の面的な分布が明らかになった。また、航空写真の分析から上層木と光条件を特定し、地形図の分析から水分条件を特定することにより、森林の音に密接に関連する人工林内の下層植生の分布を予測する手法を開発した。 風による葉のざわめき音として、今年度は針葉樹と落葉広葉樹の音の録音を中心に行った。同時に林内景観をビデオ録画し、サウンドスケープのデータの蓄積を進めた。落葉広葉樹の葉のざわめき音を周波数分析した結果、常緑広葉樹とほぼ同じ周波数特性であることが明らかになった。今後は葉柄の長さと葉の厚みによる樹種の違いがもたらす音響特性の違いを究明していくとともに、風力と音圧レベルの関係を明らかにしていく。 樹種の違いによる葉のざわめき音の音刺激を作成し、人間への暴露試験を現在進めている。心理的反応の計測法としては、新たにPOMS法を導入し、SD法の改良を行った。生理的反応の計測法としては、脳波計を購入し、心拍RR間隔変動の結果と比較分析中である。実際の森林空間を散策する場合の快適性について心拍変動性とSD法による分析を行った。今後は森林の音の暴露試験を進めるとともに、近赤外線分光分析法ならびに唾液コルチゾール法による被験者により負担の少ない生理反応の計測を試みる。
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