研究課題/領域番号 |
15380102
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山田 容三 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00166745)
|
研究分担者 |
山本 進一 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 理事(研究職) (60191409)
大浦 由美 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (80252279)
近藤 稔 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (80153732)
石川 知明 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30303754)
宮崎 良文 独立行政法人森林総合研究所, 森林化学研究領域, 室長 (40126256)
|
キーワード | サウンドスケープ / 葉のざわめき音 / 近赤外線分光分析法 / 脳活動 / α1波 / 遊歩道 / 多様性評価 / GIS |
研究概要 |
針葉樹と広葉樹の葉のざわめきの音による暴露試験を森林総合研究所(つくば市)の人間工学実験室で行い、POMS等による心理的計測、ならびに近赤外線分光分析法、血圧、心拍RR間隔変動等の生理的計測を行った。その結果、広葉樹の葉のざわめき音は、心理的に良い印象を与え、生理的には前頭前野部の総ヘモグロビン濃度の変化から脳活動が鎮静化することが明らかになった。これに対して、針葉樹の葉のざわめき音は、心理的にマイナスの印象であり、生理的には中枢神経系、自律神経系ともに変化が見られなかった。 また、同じ音を継続して聞かせた場合に、広葉樹の葉の音であっても1分40秒以降に活発だった脳波のα1波の著しい減少が見られた。α1波はリラックス時に活発に見られるものであり、この減少は飽きによる眠気の現出と考えられた。 対象地として選択した5つの森林について、航空写真による上層木の樹種判定を進め、GISを使って上層木の樹種別配置を行った。その中のひとつである岐阜森林管理署胡桃島国有林(亜高山帯針葉樹天然林)について、地形解析から水系と遊歩道の位置を入力し、遊歩道沿いのサウンドスケープの多様性を評価し、さらに歩道の勾配による歩行状況の多様性を加えて、サウンドスケープから見た遊歩道の評価を行った。その結果、植生からみたサウンドスケープの多様性は高いが、その多くが針葉樹の天然林と二次林であるため、総合的なサウンドスケープの評価は低くなった。 国有林の森林レクリエーション利用の実態を調査して、国民が森林のサウンドスケープに求めるニーズを明らかにするとともに、地形と道路からの距離による森林の手入れの実態を明らかにし、森林のサウンドスケープを形成する背景となる森林の植生状態を明らかにした。
|