研究課題/領域番号 |
15380107
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
金澤 洋一 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (40101092)
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研究分担者 |
藤嶽 暢英 神戸大学, 農学部, 助教授 (50243332)
大塚 紘雄 神戸大学, 農学部, 教授 (70283877)
石井 弘明 神戸大学, 自然科学研究科, 助手 (50346251)
鈴木 武志 神戸大学, 農学部, 助手 (10321952)
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キーワード | モジュール単位 / 有機物分解過程 / 二酸化炭素 / 根呼吸 / リター / DOC / WEOC |
研究概要 |
胸高直径を基準とした毎木調査では明らかにすることのできない低木樹種の現存量と成長量について、当年枝、地上幹、株、萌芽などのモジュール単位の動態と現存量を調査・解析することで定量的に評価した。 有機物の分解過程を、放出される二酸化炭素量を短期、長期間に測定することにより、分解速度を温度、含水率でモデル化することが可能になった。 細根だけの呼吸量を連続して測定するための測定装置を開発した。測定には購入した赤外線ガスアナライザーを使用し、連続的なデータが得られるように、開閉を自動で行うようにした。根を掘りとり、呼吸量を測定した結果、根の直径が小さくなるほど、重量あたりの呼吸量は大きくなることがわかった。特に細根に関しては非常に高い呼吸量を観測した。根の呼吸量における細根の果たす重要性が示された。 土壌中の溶存有機炭素(DOC)のフラックスをモニタリングするための予備試験として、里山広葉樹二次林の成立している花崗岩質土壌地帯を定点調査地点として選定した。リター層から母岩層までの各層位土壌から水抽出有機物(WEOC)を採取し、易分解性および難分解性有機物の分別法(DAX8樹脂分別法)を含めた採取プロセスの最適化をおこなった。すなわち、土壌試料はチルド保存で一週間以内に処理し、O層のWEOCは20倍6時間抽出、A層およびB層のWEOCは5倍24時間抽出で処理することでDOCのモニタリングに代用できる事が判明した。同時に定点調査地点の沢水から難分解性有機物を採取するプロセスも最適化し、土壌から河川に流出する有機物フローの評価法に加えることが可能となった。これらの結果から、次年度展開予定の季節変動調査におけるルーチン手法が確立できた。
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