研究課題/領域番号 |
15380117
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
谷田貝 光克 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00313081)
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研究分担者 |
松井 直之 (独法)森林総合研究所, 研究員
大平 辰朗 (独法)森林総合研究所, 研究室長(研究職)
堀 啓映子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40322044)
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キーワード | 炭化物 / 木酢液 / 竹炭 / モウソウチク / 精煉度 / カメムシ / 竹酢液 / 比表面積 |
研究概要 |
1)炭化物の特性と熱分解液成分の解明 モウソウチク(Phyllostachys pubescens)、ミャンマー産竹(Stenostachyum zollingeri)、およびユーカリ(Eucalyptus eurograndis)を試料として炭化温度・炭化時の昇温速度を変えて生成する熱分解生成物の物性(竹炭の収率、精煉度、硬度、比表面積、最高直径、竹酢液収率等)に及ぼす影響を調べた。炭化温度の上昇に伴い硬度は若干の上昇傾向を示し、精煉度は著しく減少し電気抵抗の減少を示すが、昇温速度と精煉度との間には関係は見られなかった。炭化温度の上昇と共に比表面積の増大、細孔直径の減少が観察された。 2)炭化物と環境汚染物質 広葉樹黒炭、針葉樹黒炭(間伐材)、竹炭のトルエン、キシレン等VOCに対する吸着能を調べた。いずれの炭化物でも良好な吸着率を示し、炭化温度の高いほど、吸着速度は高く、800℃前後の炭化温度での炭化物がその能力は最高で、比表面積の大小と関連性を示していた。 3)熱分解液の生物活性 イネの穂を吸汁し、米粒に斑点をつくり、あるいは変色させ、米の品質を下げるカメムシとして知られるホソハリカメムシ、クモヘリカメムシ、オオトゲシラホシカメムシに対して木酢液は忌避作用があることがわかった。コナラ、アカマツ、針葉樹廃材(スギを主体としたもの)を炭化して得られた木酢液は24時間後に約70%以上の忌避作用を示し、針葉樹廃材の木酢液では80%の忌避率を示した。カメムシに対する木酢液の忌避作用は木酢液の種類によって差があり、また、カメムシの種類によって異なっていた。
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