研究課題/領域番号 |
15380121
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
堤 祐司 九州大学, 農学研究院, 助教授 (30236921)
|
研究分担者 |
森本 聡 九州大学, 薬学研究院, 助教授 (60191045)
重松 幹二 岐阜大学, 農学部, 助教授 (00242743)
清水 邦義 九州大学, 農学研究院, 助手 (20346836)
|
キーワード | リグニン / 生合成 / ペルオキシダーゼ / アイソザイム / ストレス応答 / 発現解析 / ポプラ |
研究概要 |
I リグニンの生合成に関与するペルオキシダーゼアイソザイム 前年度の研究で、高分子リグニンのin vitro重合を触媒しうる特異的ペルオキシダーゼアイソザイム(CWPO-C)を同定した。本年度はそのcDNAを単離するとともに発現解析を行った結果、本遺伝子はポプラ(Populus alba L.)組織内で恒常的に発現する一方で、各種ストレスによる発現の誘導は起こらなかった。また、精製酵素を用い抗体を作成した結果、非常に特異性の高いポリクローナル抗体が得られた。これを用いてポプラ二次木部における局在を免疫組織観察した結果、本酵素は細胞間層、セルコーナー、および二次壁に局在しており、その分布強度はリグニンの蓄積量と良く一致していた。以上の結果より、CWPO-Cはリグニン生合成に関与するペルオキシダーゼアイソザイムであることが強く示唆された。 II ストレス応答性ペルオキシダーゼ 前年度に引き続きポプラからのペルオキシダーゼcDNA単離を行った。今年度はP.nigra EST情報およびP.trichocarpaゲノム情報を活用した。前年度分と合わせて完全長cDNA12個含む合計26個のペルオキシダーゼcDNAを単離した。一方で、ポプラESTとゲノム情報の解析結果を用い、ゲノムを鋳型とするPCR反応によりペルオキシダーゼ遺伝子の網羅的取得を開始した。 ノーザンハイブリダイゼーションにより、これまでに単離したペルオキシダーゼ遺伝子の発現解析を行った。ストレスとして障害・乾燥・高温・過酸化水素を導入した。また、若芽・本葉・分化中木部における部位特性の解析も行った。ストレス全般に高い感度で応答するもの、特定のストレスに応答するもの、全く応答しないあるいは発現抑制を受けるものもあり、個々のペルオキシダーゼ遺伝のストレス応答は多様でありよることが判明した。同様の多様性は各部位における発現でも確認された。
|